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岐阜高校→東京大学→在学中に起業した学生起業のストーリー | 矢野 雄己

自己紹介

名前:矢野 雄己
年齢:26歳
在住:東京都
出身地:岐阜県岐阜市
出身高校:県立岐阜高校
出身大学:東京大学
趣味:野球観戦、Netflix, TWICE、コナン
職業:起業家・経営者

株式会社ベンド取締役兼CTOの矢野雄己です。
現在は複数の事業を運営しており、
・バーチャルコミュニケーションサービス『MetaLife』
・大人向けの資格情報メディア『資格Times』
・中高生向けの学習サイト『学びTimes』
等の事業を経営しています。

ここでは、東京大学在学中に起業を決意した経緯や、創業ストーリー、また2021年に体験したM&Aとその後について、自己分析のため、また後学の高校生や大学生に伝えていくときのために書き残したいと思います。

経歴

1997年 岐阜市にて誕生
2013年 県立岐阜高校に入学
2016年 同高校を卒業
2017年 東京大学理科一類に入学
2019年 起業を決意し、株式会社ベンドを創業
2021年 東京大学工学部物理工学科を卒業
2021年 株式会社ベンドを学研ホールディングスにM&A
2023年 新規事業MetaLifeをリリース

2017年:大学入学直後

岐阜県立岐阜高校(岐阜県岐阜市)を卒業後、1年間の浪人を経て、東京大学理科一類に合格しました。

私なりに受験で体力を消耗した反動なのか、大学に入ってすぐは人生の休憩期間でした。

隙間時間があればとにかくゲームをして時間を潰し、週2~3でテニスサークルに行くという典型的なのんびり大学生活を過ごしていました。

東京という街の味も覚え、その当時はその当時なりに人生に満足はしていましたが、やはり常に「暇だなあ」という虚無感を抱えながら生きていました。

ある日、大学二年生になった直後、ある友人Kから「インターンシップ」という単語を教えてもらいました。

このことがきっかけで、この後の人生が少しずつ好転してきます。

2018年 春:初めてのインターンシップを体験

渋谷の鳥貴族にて、私は生ビールを片手にインターンシップの求人サイトを漁っていました。

その時、なんとなく目に止まった会社があり、面白そうだと感じ、友人Kと一緒に勢いでネット応募しました。そのまま、私はKと一緒に人生で初めてのインターンシップを始めることになりました。

インターンシップを始めてすぐに、私は企業の実態や仕組み、大人が普段何をして働いているのかも、何も知らないということを理解しました。

社長の仕事の仕方、会議の仕方、エンジニアとの関わり、目の前で起きている全てのことが真新しく、停滞した大学1年生を過ごしていた私にはこれ以上ないほど充実した時間でした。

インターンシップを始めるまでは、ベンチャー企業に対して「キラキラ・イケイケ」という勝手なイメージを抱いていましたが、意外にも泥臭い仕事ばかりしていることに衝撃を受け、またそうした泥臭さが競合企業に勝つ秘訣なのだと学びました。

このインターンシップの経験を経て、今まで都会の景色の1つにしか見えてなかった高層ビルが羨ましく見え、だんだん「起業」という単語が自分に近づいてきました。

2018年 秋:起業を決意

こうして半年間にわたるインターンシップを経験したあと、私はKと一緒に起業を決意しました

「起業する」と決意してから、実際に起業している東大の先輩方にお話を伺うため、連絡をとって足を運びました。

そして会うたびに彼らの生き方に憧れを感じ、自分も彼らのように自分を貫いて生きていける人間になりたいと思いました。

「絶対に自分も」という思いを強く持ち、「起業する」という決意はより固くなりました。

その一方で、焦りも感じていました。

「起業することだけ」が決まっていて、一番肝心な事業のアイデアは全く未定だったのです。

それだけでなく、私は株式会社の仕組みさえ知らず、

  • どうやって会社作るんだろう?
  • 会社って株式会社?そもそも株式って何?
  • 事業に必要なお金はどうやって集めるの?

起業するための必要な知識を何も知りませんでした。

さらに、私もKも全くプログラミングができず、「エンジニアがいない」という課題を抱えていました。

エンジニアがいなければ、自分たちが挑戦できるビジネスの幅は激減してしまいます。

そこで私は起業するために、ビジネスの幅を広げるために、起業の準備を進めながらエンジニアになることを決意しました

2018年 秋:エンジニアになるための猛勉強

渋谷でインターンシップをしていた頃、エンジニアの方に「Progate」というサービスを教えてもらっていたことを思い出し、すぐに登録してHTML/CSSという初級コースから勉強を開始しました。

私の圧倒的な特技の一つに、やると決めたことに一日中没頭できること、というものがありますが、この特技がエンジニアとしての成長に大きく役立ちました。

大学での勉強をそっちのけでプログラミングの勉強に没頭した私は、数日でProgateの全コースをマスターし、エンジニアになるための素養を独学で学びました。

その後、弊社で現在も技術顧問をされている中川聡先生との出会いがあり、WEBの基礎を0から教わりました。毎週中川先生と壁打ちをしながら、次に会う時までに徹底的に技術的な課題を見つけ、潰す、といったことを何度も繰り返しながらエンジニアとしての初級を脱し、中級くらいまで短期間で一気に引き上げていただきました。

2018年 冬:ビジネスアイデアを決める

私がエンジニアになることを前提に、ビジネスアイデアの模索も同時に進めていきました。

当時はKと一緒にさまざまなビジネスアイデアを書き出していったのですが、例えば

  • 東大生にいつでも勉強の相談ができるプラットフォーム
  • 夜だけ営業している飲食店を、昼にコワーキングスペースとして貸し出すためのプラットフォーム
  • 退職後の高齢者がインターンするためのプラットフォーム

といった具合です。そして、これらを先輩の起業家の方に相談で持っていくと、「絶対に失敗するからやめた方がいい」と痛烈にダメ出しを喰らいました。

当時、ビジネスアイデアの考え方に「打率が高い考え方」「打率が低い考え方」があるということを全く理解しておらず、いわば二人で思いつきで考えたビジネスアイデアばかりでした。

先輩の経営者から「思いつきや日常の気づき」などからではなく、「市場(ニーズ)」や「実際に成功している事業」から考えるべきという金言を授かり、今までの思考プロセスが全く誤っていたことに気づきました。

そうして、改めて私は自分たちのビジネスにとって必要な要素として

  • 難易度が低く、学生の起業家が過去に成功した事例がある
  • 企業価値が10億円に到達できる
  • 〜1000万円程度の資金調達で成立する
  • その中で自分の得意が生きてくる

こうした要素をベースにもう一度考え直し、最終的にインターネットに帰ってきました。

インターネットは学生起業家である私でも少ない資本で大企業にも勝てる世界であり、私たちが勝つための必要条件を全て綺麗に満たしていました。

その中で「正確で的確な情報をわかりやすく伝える」という自分の得意なことも活かせると感じ、学生の僕でも今すぐ日本中のユーザーに価値を提供できると確信しました。

『資格Times、これだ!』

こうして、「起業することだけが決まっていた」状態から脱し、いよいよ起業・法人化が現実味を帯びてくるのでした。

2019年3月:資金調達 & 起業

資格Timesを事業として展開していくためには、資金が必要でした。

当時はキャッシュアウトする可能性に恐れ、余裕を持って多めに調達したいと考えていました。

また、事業が失敗した際に個人としての返済義務を負いたくなかったため、金融機関からの借入ではなく、エンジェル投資家からのエクイティファイナンスによる調達が適していると理解しました。

事業計画では500~1,000万円程度で十分と判断していましたが、まだ一回も経験をしたことがない資金調達と事業においてリスクを極限まで下げたいという考えのもと、少し多めに1500万円をエンジェル投資家から調達しました。

複数人の投資家の方にお会いし、たくさんお断りされましたが、東大の起業家の先輩だけは最初から信じてくださり、投資してくださいました。

今振り返ってみると、何も実績もなく、いつ飛ぶかわからない学生に対して1500万円へのお金を投じるのは簡単なことではないということが大変よく理解できます。

当時、私が持っている強みは資格Timesというビジネスモデル、現役東大生としての肩書き、そして「最後までやり切ります」という覚悟だけでした。

この状態でしっかりバリュエーションをつけて投資していただいた投資家の先輩には、本当に頭が下がります。

こうして無事に資金を調達できた私はいよいよ本当に起業することができました。

株式の意味さえ知らなかった堕落した大学一年生が、「起業する」という覚悟だけを武器に、「わからない・知らない・できない」に1つずつ向き合って解決し、半年間頑張ったら本当に起業できたのです。

2019年5月:資格Timesをローンチ

起業家として、本格的にハードワークが始まりました。

1日は24時間ですから、そこから睡眠時間8時間を引いた残りの16時間は仕事の時間、というような感覚でした。

資金を調達したとはいえ、まだ黒字化していない局面での支出の管理は重要課題です。

  • 黒字化するまでオフィスは持たない(各自の自宅で働く)
  • 黒字化するまで採用は最低限に抑える
  • 黒字化するまで無駄遣いはしない

といった具合で支出の管理を徹底し、自分が働けば働くほど資本効率が上がることを理解しました。

また、期待して投資してくださった投資家のことも考えると、働く以外の選択肢を取ることは考えられませんでした。

こうして無事にハードワークにどっぷり浸かり、友人からの飲み会や旅行の誘いも断り、徐々に友人からの連絡は来なくなるのでした。

仕事に集中できる環境が整い、法人化してから2ヶ月後の2019年5月、無事に「資格Times」をローンチすることができました。

資格Timesの検索順位は徐々に上がっていき、やがて黒字化しました。

黒字化した私たちは初めてのオフィスを本郷三丁目に借り、Wantedlyでの採用活動を通して初めて友人以外のインターン生が仲間として会社に加わってくれました。

規模は小さいものでしたが、自分たちで手がけた事業の伸び、組織の伸びは、私にとって生きがいと言って差し支えないほどかけがえのない体験でした

2020年5月:学びTimesをローンチ

資格Timesの事業の伸びと同時に、私たちはもう一つメディアを立ち上げる体力がありました。

もともと私が高校生の時に勉強が好きだったという経緯もあり、高校生向けのWEBメディアを作れないかどうかを検討しました。

そして、日本一の数学サイト『高校数学の美しい物語』を運営されている方からの快いご協力もあり、
学びTimesという日本一の学習サイトをリリースできました。

2021年3月:M&Aへの動き

2021年3月、私は東京大学を卒業すると同時に、事業の成長の鈍化を感じていました。

それは不思議なことではなく、元々市場規模は決して大きくない領域で戦っているのですから、順調にことが進めばすぐに市場の上限の壁が見えてくるのです。

一方で、起業した当初よりも企業価値は高まっていることは明らかでしたので、より大きく挑戦するためには、大企業(そして事業会社)と手を組み、資格Timesと学びTimesをもっと大きい市場に持っていって挑戦することが必要なのではないかと考えていました。

そうした中で、M&Aへの動きを本格化することになりました。

M&Aに動き出した理由を改めて整理すると

  • 自分たちで伸ばせる資格Timesと学びTimesの限界を感じていた
  • 事業会社で、自分たちで商品を持ちながらビジネスを展開してみたかった
  • 大企業で新しい事業への挑戦をしてみたいと感じていた
  • エンジェル投資家への恩返しのタイミングだと感じていた

というのが主な理由です。

そして、動き出し後、学研ホールディングスさんとご縁があり、M&Aの契約が成立しました。

2021年10月:学研の子会社として

学研の子会社として、既存事業を伸ばしてい成長させていくことと同時に、新規事業を立ち上げることは私たちの使命でした。

当時、リモートワーク全盛ということもあり、オンライン会議ツールが多額の資金調達を進める中、私たちもその領域に参入することを決めました。

そして2022年8月、バーチャルコミュニケーションツール『MetaLife』をリリースしました。

2023年には、本田圭佑さんをMetaLifeの公式アンバサダーとして起用するなど、現在もMetaLifeを日本一、世界一のバーチャルコミュニケーションツールに成長させていくために躍起になって取り組んでいます。

2021年10月から始まった子会社として会社経営は非常に濃いパートではあるのですが、経営上の理由から2024年時点でここに詳細に記すことはできません。また数年後、振り返りながら加筆できたらと思います。

学生で起業した経験から学んだこと

ここまで長々と書き記した起業家としての過去から、26歳時点の私なりの心得を自分のために記しておこうと思います。

人生は常に思い悩みと共にあるもの

  • 何のために大学に行くの?
  • 何のために働いているの?
  • 新しい挑戦に対し、親や学校の先生、友人から反対される
  • やりたいことのためのお金が足りない
  • 将来への漠然とした不安

私自身、起業を決意してから実際に法人を作るまで、両親や親族から猛反対をされ、

  • 学生が起業して成功するはずがない
  • 誰かに騙されているに違いない
  • 失敗したら取り返しがつかない
  • 大学を辞める必要はない
  • 大学を卒業してからでも遅くない
  • どうして普通の人生を歩んでくれないの?

といったようなことを散々と言われました。

人生は終に自ら決定せねばならぬ

私は「大学はちゃんと卒業する」という条件のもと、親の反対を押し切った形で起業し、ある程度の結果を出すことができました。

そうすると、周囲の反応も変わっていき、

  • どういうビジネスモデルなの?
  • 起業してうまくいって本当によかったね

など、「それほどの知見で反対していたのか」と発見することもしばしばありました。

当然、失敗していれば「やはり」と指を指されたことでしょう。

結局のところ「知らないものは怖い」という生物の生存本能の現れとして反対されていただけに過ぎなかったのです。

私は起業をしながら東大を卒業するという道を選択したのですが、事業がうまく進むにつれて起業家として生きていくという覚悟が固まり、大学を卒業することに益々価値を見出せなくなっていきました。また、孫正義氏が自身が日本の高校を中退した経験を背景に「退路を断ちなさい」と述べている動画を見るたびに心が苦しくなりました。

それでも東大に進学したいと志願したのは私自身であり、そこに精神的・金銭的に支援を受けてきたため、一方的に大学を退学するという選択を取ることも心苦しかったのも事実です。そうした心苦しさから「卒業」という条件を飲んだのもまた自分自身です。最終的に自分で下した判断なれば、どこかで納得するしかありません。

こうした葛藤から、やはり人生は最後は自分で決めなければいけないものであると学びました。

無闇に挑戦することではない

何かに挑戦するためには、事前の準備が必要不可欠です。

準備が不足すると、このようなことが起きるかもしれません。

  • 人に騙されてお金を失った
  • 洗脳され、頭がおかしくなった
  • 友人を失った
  • 知らないうちに犯罪に手を染めていた

笑い事で済まないこれらの失敗のきっかけは意外にも身近に潜んでいます。

常に準備を怠ってはいけません。

悩む時こそ、情報をしっかりと収集せよ

できるだけ多くの情報を得ることが肝要です。

この時、無意識の内に「自分にとって都合のいい情報」が集まりがちです。

「自分にとって都合の悪い情報」ほど正確に多く集めるように心がけましょう。

また、情報を収集する際に「事実」と「解釈」を混ぜないように意識しましょう。

最後に意思決定をする際に役立つのは「事実」です。他人の「解釈」を「事実」として誤認すると、誤った判断につながりかねません。

これらの準備を経て、初めて人に騙されないための最低限の予防線を張ることができます。

ワーストケースを検討せよ

思ったようにうまくいかなかった時、どんな失敗が想定されるかを検討しましょう。

  • 大学を卒業できない?
  • 就職できない?
  • お金を失う?
  • 友人を失う?
  • 死ぬ?

思いついたワーストケースはあなたにとって許容できるリスクですか?

また、ワーストケースはどういう時に訪れますか?ワーストケースにならないための対策はできますか?

時として、ワーストケースはネットで調べているだけでは辿り付かない可能性があります。もし可能であればその道の第一人者に意見を聞きにいくと良いでしょう。

想像で語る者、事実で語る者

例えば「起業」を例にしてみれば、

想像で語る者
「起業は失敗したら一文無し。就職もできず、人生は破滅する」

事実で語る者
「エクイティファイナンスで資金調達すれば失敗しても個人としての返済義務はない」
「起業で失敗した後にそうした人材を欲しがるベンチャーに就職した事例がたくさんある」
「社会保障制度で最低限の暮らしは保障されている」

このように、想像で語る者と事実で語る者の間には言葉に決定的な差があることがわかります(そしてこの両者の間では会話や議論は成立しない)。

この差は、頭の良さなどではなく情報の有無によるものです。

自分が事実で語る者になれば、想像で語る者を相手にする余地はありません。

正しい意思決定をするために、想像ではなく事実で語りましょう。

時代が変われば考え方も変わる

自分が悩んでいる時、周りの成人(親、教師)が絶対的な存在に見え、彼らが言っていることが正しいと思いがちです。

しかし、落ち着いて考えてみれば、成人も所詮は一人の人間に過ぎず、それぞれ違う固定観念を積み重ねて生きているに過ぎません。

そして、彼らが等しく情報を持ち、論理的に判断しているわけでもありません。時に、彼らは自分の過去の人生を否定したくないという生物的かつ潜在的な理由によって、他人の人生を否定し、制約をかけようとします。

太古の時代から言われている通り、時代が変われば考え方も変わります。

成人の意見は参考になりますが、最後はやはり自分で決めなければいけません。

最後までやり遂げられるか

正しく情報を収集した上で、それでも周囲の賛同を得られない場合、

  • 失敗しても後悔しないか?
  • 周囲の非難を無視して努力を続けられるか?

しっかりと自問自答しましょう。

「途中で心が折れるかも」と感じたら、やめておいた方が良いでしょう。長続きしないと思われます。

「できる」と感じたら、ダイヤの原石である可能性があります。その潜在能力に周囲はまだ気づいていないけれど、自分だけがその存在に気づいています。磨き、確かめてみる価値があると判断します。

人間の能力に大きな差はなし

ここまで述べてきた通りですが、頭の良さはそれほど関係がなく、「正しく情報を集め、理解し、最後までやり抜くかどうか」に尽きます。

したがって、情報を集め、その情報を頭の中で正しく整理する能力は、人生のどの局面においても役立つものであり、決定的な能力であると考えています。

そして、その能力はテストの点数と一定の相関はあると思いますが、必ずしもテストの点数や学歴で測定できる指標ではありません。やはりテストの点数が良いから成功するわけではなく、成功するまで続けたから成功するのだと思います。

私はまだ成功について大言壮語できるほどの人物では決してありませんが、始めなければ成功しないこと・途中で諦めたら成功しないことだけは確かに理解しています。

人間の能力の差を理由にすれば、永遠に挑戦はできません。

そもそも優れているかどうかは往々にして相対的なものです。私の場合、地元の高校では "頭が良い" とされる部類でしたが、東大では至って平凡でした。このような相対的な基準で、自分の人生に重要な決定に迷いが生じてはいけません。

「実力がついてから挑戦する」と言う人がいますが、いつ実力がつき、また何を基準として実力がついたと判断するのか、不思議です。

「挑戦する」と先に決意してしまい、そこから逆算的に必要なステップを整理し、1つずつ実践していくと良いのではないでしょうか。

時に身を任せるやり方では、やはりいつまで経っても挑戦できないのではないかと観察してしまいます。

挑戦をするときは背伸びをする

新しい物事に挑戦する際は、現在の自分の能力を100%とした場合、120~150%くらいの能力が要求される物事に挑戦してみると、自分の成長が加速すると思います。

一番最悪なのは70~90%くらいの物事にしか挑戦しないことです。これではいつまで経っても現在の自分の能力の範疇を超えず、理想とする自分の能力に追いつくことは難しいでしょう。

そうではなく、将来の自分、2~3年後の自分が獲得しているべき能力をイメージしながら、ちょっと背伸びをしながら挑戦をした方がパフォーマンスが良いと考えています。

そして実力がついたら、そこを新しい100%の基準とし、再び120%~150くらいのネクストステージに挑戦していきます。

今自分ができることの中で挑戦する、というフレームワークで生きていたら、私がエンジニアとして起業する未来は一生訪れなかったでしょう。

若ければ若いほどよい

人間が自由に挑戦できる期間は、期待するほど長くないと予想します。

30歳を超えれば、今の仕事に追われたり、家庭を持つことになったり、体力の衰えなど、「やりたい事が叶わない理由」が次第に増していくのではないでしょうか。

そうなれば、高校を卒業してから、やりたいことを見つけ出し、実際に挑戦するまでに残されたゴールデンタイムはわずかに10年余りということになります。

人生百年と謳われる時代においても、過分に自分の生涯を長く見積もり、挑戦の機会を逸してしまうほど本末転倒なことはありません。

失敗においても、予防接種と同じように、若ければ若いほど良いと思います。失敗した時のダメージが少ないこと、そしてその失敗が後の生涯における経験となり得るものであれば、若い時の失敗ほど複利的に人生に効いてくるのではないでしょうか。

後悔がない人生を

困難だと感じることも、後になって振り返ると大したことはないかもしれません。

どんな大きな挑戦も始めの一歩は必ず小さいのですから、その小さい一歩をどれだけ踏む勇気があるかどうかが重要だと心得ています。

この記事について

大変ありがたいことに、この記事の内容について教職員の方や起業を志す学生からお問い合わせをいただくことがあります。
その際、以下まで直接ご連絡いただけましたら幸いです。
氏名:矢野 雄己
メールアドレス:y.yano*thebend.jp (*をアットマークに置き換えてください)

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