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日本の“女性活躍”の決定的な問題点

この記事では、女性活躍に貢献する2Cアプリや福利厚生サービスを提供するFloraでCOOを勤める私ならではの観点で、女性活躍の現状、問題点、今後の展望を語ります。

そもそも女性活躍って?

女性活躍とは、文字通り女性の活躍を意味するわけですが、発端は、2015年に働く女性の活躍を後押しする法律として「女性活躍推進法」が国会で成立したことです。尚、2019年や2022年に改正が行われています。

この法律を作った背景としては、人手不足・労働力不足を解消するためや、働きたいのに育児や介護を理由に働けない多い問題や、グローバリゼーション・ダイバーシティへの対応の必要性など、様々なことがありますが、とにかく、日本にとってとても重要なアジェンダです。

政府は、女性が十分に活躍できない現状を是正するべく女性活躍推進法を成立させ、女性が働きやすく・キャリア形成していけるように、自治体や企業に対して改革を求めているわけです。具体的に政府が行っている施策に興味がある方は以下をご覧ください。

厚生労働省:女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)

“女性活躍”は反対派を呼ぶ

上述したように「活躍できていない女性を活躍できるようにしよう」という意味合いで女性活躍推進法が生まれ、「女性活躍」という言葉が使われるようになったので、「女性活躍」は文字だけでは女性が活躍する以上のことを意味しませんが、日本において「女性活躍」とは、アファーマティブアクション(ポジティブアクション)のような含みを持ってしまっています。

アファーマティブアクションとは、積極的格差是正措置とも言い換えることができ、差別によって不利益を被っている人たちへ、特別な機会を提供することで、実質的な機会均等を実現する措置のことを言います。

アファーマティブアクションによって誰かへ特別な機会を提供するということは、誰かの機会がその分失くなる可能性が高いため、常に反対派が生まれます。女性活躍においても反対派は一定数存在し、頑固で何も根拠のない女性差別主義者から、それなりに論理的な根拠を示す自分の権利や機会を維持したい保守派もいます。

反対派が生まれると、政治で女性活躍を進めるのはもちろん、企業の中で女性活躍を進めることも困難になってしまいます。日本の場合多くの意思決定者は男性であることが多いので、女性活躍をなかなか推進したがらない人たちや、推進してるように見える簡単な施策だけ実行し、本質的には重要視していない人たちが沢山います。特別な機会の提供として管理職割合上昇や採用数増加に取り組まされている以上、こういった軋轢は絶えることはありません。

“女性活躍”は女性も辛い

少し話が変わりますが、日本は性教育後進国であることはご存知でしょうか?性教育のレベルが低いと、国民のヘルスリテラシーは当然低くなってしまいます。そのことも影響してか、日本の働く女性の中には、生理痛やPMS、更年期障害などの女性特有の症状や、妊活、妊娠等のライフイベントで、仕事に支障を感じたり、勤務継続・昇進を断念される女性が沢山いて、社会問題にも発展しています。。

※広域的なデータになってしまいますので、ここではデータの提示を割愛します。

そのような状態で、女性活躍として、様々な支障を抱えたままの女性たちを今よりも責任の重い状況に置くことは、問題が起きると思いませんか?仮に本人が昇進などを望んでいたとしても、症状が重いのであればそれは心身ともに酷使することになります。症状が重い人は周りに遠慮してしまい、女性活躍が謳われる前の状態とあまり変わらないのではないでしょうか。更に、生産性を重要視しなければならない企業などの組織からすれば、症状による支障を抱えている人材をただ単に増やすことは、苦しい部分も必ずあるのではないでしょうか?

まとめると、日本の女性活躍は、反対派が生まれてしまう方法であるにも関わらず、女性の健康課題を考慮していないため、本質的な変化を起こすのが難しいので、とても大きいコストに対して少ないリターンしか返ってこないアクションのように考えられるのではないでしょうか。

※わかりやすくするために批判的に記述していますが、現在の日本にとって“女性活躍”は必要で、今行われていることだけでも本当に素晴らしい進歩だと感じています。

決定的な問題と解決のカギ

では、いったいなぜ女性活躍はこのような非効率的な状況に陥ってしまったのでしょうか。それは推進する順番が大きく影響していると考えます。上述した女性の健康課題やライフイベントとの両立の困難を解決する前に、女性の活躍を推進しようとすると、反対派は生まれ、活躍できる女性も絞られ、活躍していても我慢している女性がいて、企業等の組織は支障による労働損失が以前よりも増えてしまうという悪循環があります。

この悪循環を断ち切るには、「健康経営」がカギになります。まず、企業等の組織で女性が健康課題解決やライフイベントとの両立がしやすくなり、持っている力を十分に発揮できる環境を創るのです。すると、女性は自然にパフォーマンスが向上し、選択肢が増えたり、評価が上がることで管理職割合等も自然と上がっていくはずです。女性管理職を増やしたことで業績が上がれば、女性の採用数も増加する流れになるでしょう。すると、アファーマティブアクションのような女性活躍推進は必要なくなると考えられます。

とはいえ、どのように女性の健康課題を解決すればいいのか、ライフイベントと仕事の両立をしやすくすればいいのか、完璧な回答を出すことはできません。組織にはそれぞれの傾向があり、人にはそれぞれの課題があります。普遍的な施策では、決して解決することはできないでしょう。

パーソナライズされたソリューションを

弊社は上記のようなことから、女性活躍を推進させるにはまず、パーソナライズされたサービスを提供することが重要であるということを気づきました。そこで弊社では2Cアプリにパーソナライズアルゴリズムを搭載しています。2Bサービスでも、企業ごとの課題に合わせてカスタマイズしたソリューションを提供しています。気になった方はぜひWebサイトからチェックしてみてください。一緒に健康経営を支援し、女性活躍を真に実現する仲間を募集しています!

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