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「セクショナリズムは組織をダメにする。」FLUXのCTO × VPoEが語る理想のエンジニア組織とは?

2018年5月に創業したFLUXですが、エンジニアはCTOのEdwin一人体制でスタートしました。
それから3年後の今、VPoEの中川を含め、計25名のエンジニア組織に拡大しました。

今回は、3年で急拡大したFLUXのエンジニアの組織について、CTOのEdwin Li × VPoEの中川に対談形式で語ってもらいました。

【Profile】
株式会社FLUX CTO Edwin Li

小学校からDOSとi386環境でプログラミングを行う。学生時代に中国にて北京代表として数学・天文学・物理学・化学オリンピックで優勝。
英ケンブリッジ大学コンピューターサイエンス学部中退し、東京工業大学にてアルゴリズム、機械学習、深層学習を専攻。中国英語翻訳者資格最年少記録保持者。

株式会社FLUX VPoE 中川 晃

メンタルヘルスケアスタートアップの創業に携わり、その後フリーランスエンジニアとして活動。保険業界のSaaSスタートアップにてフロントエンドマネージャーとして参画した後、株式会社FLUXのVPoEに就任。

【Entrance Book for Engineer(FLUXにご興味いただいたエンジニアの皆さまへ))】
https://www.notion.so/Entrance-Book-for-Engineer-FLUX-cd6402ddbb6a4d69b011966dc2377d62

プロダクトフェーズと求められるスキルセットでチームを分ける

ーーFLUXにはAutoStram/siteflowの2つのプロダクトがあると思うのですが、開発チームはどのように組織を分けていますか?

Edwin:基本的にはプロダクトの下にエンジニア組織が紐づいているような組織図になっています。現状は、中川さんがsiteflow側のリーダー、僕はAutoStream側のリーダーを務めています。ただ、僕がCTO、中川さんがVPoEですので、現場のプロジェクトリーダーを兼任しているイメージです。スタートアップあるあるですね(笑)

この2つのプロダクトはそれぞれフェーズが全く異なります。
AutoStreamは1⇒10のフェーズ
siteflowは0⇒1のフェーズ
プロダクトのフェーズと特性も異なるため、それに合わせてチーム構成も変化させてますね。

中川:そうなんですよね。AutoStreamだと「フロントエンド」「バックエンド」「インフラ」と職種で分けるのではなく、「アドテクエンジニアの業界専門」「社内開発」「プロダクト開発」の3つのプロジェクトでチームを分けています。

Edwin:AutoStreamは、アドテクノロジー/広告周りのドメインナレッジが多分に求められるようなプロダクトです。そのため、アドテクノロジー(広告周り)のドメインナレッジをベースに「役割」でチームを分けています。単に「フロント開発をしておけば良いよね」「バックエンドを開発しておけば良いよね」というわけではなく、各々の強みを活かしプロダクトに対してのバリューを出せるようなチーム構成にしてます。

中川:逆に、siteflowは0⇒1のフェーズのため、「職種」でチームを分けています。比較的ピュアなWebアプリケーションの開発になりますので、「フロントエンド」「バックエンド」「インフラ」という構成です。ただ、フロントエンドがかなりヘビーなプロダクトのため、siteflowを担当しているメンバーの半数以上がフロントエンドエンジニアですね。

ーー「プロダクトのフェーズ」と「求められるスキルセットの違い」から差分が出ているということなんですね!具体的にAutoSteamとsiteflowチームの構成はどのようになっているのでしょうか?

Edwin:AutoStreamは前提として役割を兼任をしていることが多いです。例えば、プロダクト開発の役割を担っている方が、社内開発を兼任したりなどです。インターン生も含めると全体で15名ほどでしょうか。コアメンバーはほとんど兼任をしている状況のため、今後はチーム自体を整備していきたいと考えています。

中川:siteflowは業務委託の比率が多く、現状のチームメンバー数は10名ほどですね。半数以上はフロントエンド、インフラが2名、バックエンドも2名と現状バックエンドの比重が少ない状況です。

組織的にはかなり大きくなりましたが、まだまだ課題は山積みですね(笑)

AutoStream by 株式会社FLUX
AutoStreamは、ウェブメディア/アプリ向けのOne-Stop Solutionです。 広告収益最大化機能を中心として、Analytics、視認性向上、ブランドセーフティー管理、 ユーザー情報管理など様々な機能を搭載しています。 今まで人の手でやっていたメディアのオペレーションを簡易化し、 媒体のポテンシャルを最大限引き出します。 東洋経済 / サイバーエージェント / フジテレビ / 楽天 といった大手媒体者をはじめとして、500ドメイン以上(業界トップシェア!!)の メディアマネタイズを支えてい
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siteflow by 株式会社FLUX
siteflowは、ホームページを作成する上で、 お客様の「わからない」を解決するNo Code ウェブサイト作成サービスです。 従来のウェブサイト作成ツールとは一線を画す、 圧倒的にユーザー視点を追求したSaaSサービスになります。 この10年間でスマホ/アプリを筆頭に、テクノロジーは大きく発達しました。 一方で、日本のWebサイト制作業界は、そのトレンドに大きく取り残されています。 ...
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シリーズAを迎えたFLUXのCTO/VPoEの役割とは・・・?

ーーこの規模でCTO/VPoEの2名体制を取っているのは、珍しいですよね!お二人はどのように役割分担しているのでしょうか?

Edwin:確かに、面談などで驚かれることはありますね(笑)スタートアップであるが故に、大前提として役職者名通りに、役割/職務を分けられてはいません。

中川:そうですね、CTO/VPoEと言いながらも現場の仕事が1番大事ですし、明確な分類もまだありません(笑)

Edwin:ただ僕と中川さんのスキルの特徴を鑑みて、役割/職務内容に反映はしています。AutoStreamは、海外の状況を踏まえて技術を追っていかなければならないため、「より最先端の技術を追いかけること」「国際組織で発信をして情報収集をすること」などを僕が中心に行ってます。例えば、研究開発や外部向けの発信、その他大学でのゲストスピーカーなどです。個人で対外的に動くのが好きなので、そのような大学連携なども含めて動いてますね。

中川:僕の役割は、FLUXに興味を持っていただいたエンジニアの方がFLUXに入りたいと思っていただけるように、そして求めていることとFLUXが提供できることの目線合わせができた状態を目指しています。完璧に役割を分けているというよりは、それぞれ比重が違いますね。

Edwin:中川さんはエンジニアの中でもヒューマンスキルが圧倒的に高いんですよね。これは社内外で好評です。(笑)エンジニアという括りでダントツだと思ってます。社内メンバーの悩みを吸い上げて改善するなど、FLUXの内部で支えてくれる欠かせない存在だと僕は思いますよ。

中川:なんかEdさんにそう言われると、もちろん嬉しいですが、恥ずかしいですね(笑)

ーー採用活動上の魅力付けや社内の組織づくりを中川さんが、TechはしっかりEdwinさんが押さえているというバランスがFLUXの強みだと思います!

Edwin:いえいえ、なんだか弱音みたいになってしまいますが(笑)、僕自身もTech全般ができる!と自信を持って言えるわけではなく、僕の強みであるデータ系、機械学習などはもちろん抑えていますが、フロントエンドは弱いと思っています。フロントエンドは中川さんが抑えてくれています。中川さんの背中を見ている感じですね。

中川:僕は逆にデータ、機械学習などが苦手?で(笑)面談時はフロントエンドの話は僕がしており、バックエンドの話はEdさんにお願いしています。お互いで得意なフィールドをカバーしており、面談時にエンジニアのスキルの見極めができないことはないですね!

デジタルマーケ×SaaSに特化しているからこそ、成長環境を重要視したい

ーーFLUXといえば社内の勉強会はOSS活動を頻繁にされているイメージですが、これが立ち上がった背景を教えてください!

Edwin:大前提として、Missionを達成するために実施していますね!そして、個人的に好きで実施していることでもあります(笑)FLUXには「テクノロジーをカンタンに」というMissionがあります。複雑なテクノロジーを把握しきれない、特にアドテクの領域は最先端がコロコロ変わっていく変化の多い領域です。追い続けていくことが困難でありますが、だからこそ僕らの提供価値がある、そう思っています。

中川:そうですね。週に最低でも2回は勉強会を実施しています。各会で異なるテーマで勉強会を実施しています。例えば、私たちが使っているオープンソースのアップデートが基本毎週されるので、された度にEdさんが更新された内容とそのインパクトとそれが意味することをメンバーに解説してくれています。

ーー社内でも好評みたいですね!

Edwin:そうですね、そう言ってもらえるとやりがいがあります。勉強会にはエンジニア以外にAE(アカウントエグゼクティブ)のメンバーやCPOの平田さんも参加してくれるので、職種の垣根を超えたコミュニケーションが活発化しますね。

また、毎週水曜日18:00から19:00には「アドテク開発共有会」を実施しています。アドテクの領域は常に最先端の技術を追っていかなければならないため、僕が学会などで学んだ世界的に有名なアドテクの言語や構造などを解説したり、海外でトレンドなプロダクトのご紹介など、共有をしています。

中川:「アドテク開発共有会」で共有を受けたことをFLUXに、そして日本に持ってきた場合、どのようにプロダクトに反映されるのか、などディスカッションをしています。非常に有意義な場になっていると感じています。Edさん、いつもありがとうございます!

Edwin:いえいえ!

組織において「セクショナリズムを避ける」重要性とは

ーーFLUXのエンジニア組織は心理的安全性が非常に保たれているのではと感じています。最後にEdwinさん、中川さんがエンジニア組織づくりにおいて重視していること、目指したい組織など教えてください!

Edwin:僕らがエンジニア組織を運営する中で重視しているのは「セクショナリズムを避ける」ということです。その考えを組織に浸透させるのが役目だと思っていますし、徐々にではありますが、最近はメンバー一人ひとりがその考えを持ちつつある気がしますね。

「セクショナリズム」は組織をダメにしてしまう、と考えています。たとえば、ビジネスサイドはプロダクトに一切口を出さない、エンジニアサイドは経営には口を出さず目の前のプロダクト開発だけを行うと役割を分けた場合、FLUXとして、プロダクトとしての本当の価値提供はできないと思っています。

「このプロダクトは誰のどんな課題を解決しようとしているのか」を正確に理解をした上で、僕らの作っているプロダクトが「本当にバリューを出しているか」を常に追求していくことが重要だと考えています。

中川:そうですね。僕もセクショナリズムを生むような行動をとるメンバーには叱咤するようにしています。「その発言は他部署やチームのことも考えてしている?」と。

Edさんも僕もそうですが、やはりエンジニアが「エンジニア組織だけ」を考えていてはいけないと思っています。1番つくりたくないエンジニア組織でいうと「ビジネスサイドから言われたものだけを作るエンジニア組織」ですね。

Edwin:それは1番危惧しています。世の中的にはそれでもワークすると思いますが、そうなってしまうとエンジニア組織としての自主性や主体性が喚起されないと考えています。

中川:そうなんですよね。そのため、僕らとしては「会社」としての視点・「チーム」としての視点を忘れないことを心がけています。

もちろん、他チームとうまく連携が取れていない場合、フラストレーションが溜まってしまう時もあると思うんです。そういうときには「そのフラストレーションって他チームの話を聞いていない、事情を把握できていないまま進めてしまっているがゆえに溜まっているのではないか?」と自分にも、メンバーにも問うようにしています。

Edwin:個人と組織全体の方向性がずれてしまいそうになった場合には、「それはだめ!」と頭ごなしに否定するのではなく、「なぜ今このプライオリティが低いのか」ビジネスサイドが重要視している数値やロードマップを用いて説明するようにしています。そうすると開発の優先度付けで揉めることはないです。

結局のところ「何を開発するのか」「何の開発がおもしろいのか」などエンジニアリング的な面白さだけではFLUXとしてはやっていけない、というのが根本にあるのかもしれません。

そのため組織全体の情報の透明性を図り、セクショナリズムを排除することを重要視しています。

中川:そうですね、Edさんとは週に2回以上エンジニア組織について話すのですが、分断した組織にならないためにどうするかという話をよくしています。

Edwin:ビジネスサイドであっても、エンジニアサイドであっても完璧に同じ目標に向かっている、むしろ双方が融合した組織を作りたいです。それがFLUXらしい組織なのかもしれません。

中川:そのために、エンジニアでも「このプロダクトは誰のどんな課題をどう解決しようとしているのか」は常に持っていて欲しいですね。そのためにも今後は、プロダクトミッションの明確化やプロダクトの中でのエンジニアリングバリューなども策定していこうと思います。よりセクショナリズムを避けた組織にしていきたいですね!

ーーありがとうございました!

いかがでしたでしょうか?
FLUXのエンジニア組織に少しでもご興味を持っていただいた方からの、エントリーお待ちしております!

また、6/22(火) 19:30 ~ 「拡大する前に知っておくべきエンジニア組織の問題点と解決策」というテーマで、VPoE中川と株式会社ゆめみ 代表取締役 片岡様 がディスカッションするオンラインイベントがございます!無料でどなたでもご観覧いただけますので、お気軽にご参加ください!

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