ノースハンドのグループ会社 で介護システム販売のソラジョウ（安芸郡府中町柳ヶ丘、北村聡社長）は今秋をめどに、介護事業者向けの約４００種類のアプリを定額制で使えるサービス「かいごのコンパス」の提供を始める。社員台帳、施設管理、営業管理などの現場とバックオフィスに必要な機能を備え、用途ごとに複数システムを導入する手間を省く。介護業界のＤＸ化を推し進める。

各種基幹業務システムをクラウドサービス上に構築。分野ごとに複数アプリを用意し、各社に合うものを自由に選んでもらう。例えばデイサービスの日報に利用者数を入力すると稼働率を算出しグラフや表で表示したり、勤務時間から手当を自動配分したりする機能などがある。居室稼働率を上げたい、離職率を改善したいといった困りごとから必要なアプリを検索できる。グループでサービス付き高齢者向け住宅や調剤薬局を運営する知見を生かした。さまざまな情報を集約・連携させ、適正な人員配置や処遇改善などに生かしてもらう。利用料は小規模事業者も使いやすい月５～10万円とする。介護業界に特化した定額制サービスは珍しいという。

同社は医薬品販売を手掛けていた広島トーワ薬品（同所）が昨年11月に社名変更し、第二創業として同サービスの販売・導入支援を手掛ける。拠点として昨年11月に本社隣の倉庫約20平方㍍を改装した。同事業は事業再構築補助金に採択された。開発はノースハンドが担当。

持ち株会社のＮＨホールディングスを親会社とし、グループに介護施設運営、薬局経営など７社がある。ノースハンドが手掛ける介護情報共有システム「Ｎ―ＳＹＳＴＥＭ―Ｃａｒｅ」は中国地方を中心に50施設に導入。他社サービスとの連携による機能拡充を進め、昨年12月にＡＩ画像分析による転倒検知システムと連携させた。電子薬歴Ｓｏｌａｍｉｃｈｉとも連携を検討中。グループ年商は９億円規模。24年４月期に10億円、27年に15億円を目指す。