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ヒト・技術・戦略から見たD5Cの「リアル」(前編)

現在、企業活動ではさまざまな情報に対して「データ分析」が進められ、その結果の下、事業戦略や施策などの意思決定や判断が下されています。まさに「データ分析」が競争力の原点となったいま、「データ分析」をベースとしたビジネスモデルを早急に構築していかないと、成長戦略が描けない状況となっています。

D5C(ディーファイブコンサルティング)は、「データ分析」に関わる顧客の課題に対して、幅広く支援を行うスペシャリストの集団です。「データ分析」から「コンサルティング」まで、ワンストップで対応する人材育成のノウハウを有し、「データサイエンティスト」がイキイキと活躍できる職場環境が醸成されています。そのカギを担う各部門のリーダー4名に、ヒト・技術・戦略の側面から見たD5Cの「リアル」(現状と未来)を聞きました。

*話を伺ったリーダー:

中島貴之(技術ソリューション担当)
斎藤淳 (新規事業開発担当)
佐藤浩也(機能戦略担当)
山口知与(人事担当)

*聞き手:
山田功生(D5Cアドバイザー)

●D5Cが考える「データサイエンス」の未来とは?

緊迫感が増す世界状況に加え、企業経営を取り巻く環境変化のスピードが速くなっており、今は良いモノを作れば売れるというシンプルな時代ではありません。そこで求められるのが「データサイエンス」です。自社の製品やサービスを、誰にどのように提供し、最短で売上を上げられるかということを、「データ分析」を通して的確かつスピーディに導き出すアプローチが、企業にとっての喫緊の課題となっています。

●成長分野ゆえに、人手不足の問題が深刻化

「データサイエンス」の仕事の面白さに、今まで当然と思われてきた常識が崩れる様を目の当たりにすることがあります。例えば、広告代理店などでは特定のシーズンになると、定番のツアーを企画する傾向があります。もちろん、定番の人気スポットは賑わうことでしょうが、それ以外の可能性をあまり考慮していないのも事実。実のところ、他の地域・スポットに行きたいと思っている潜在的なユーザーは、少なくないのです。その結果については「データ分析」をすれば明らかとなるのですが、固定概念が強い場合、「データ分析」をしようとしません。

しかし、「データ分析」の結果を知ることによって、自分たちが行ってきた企画では潜在的な顧客ニーズに対して応えていなかったことが露呈します。実際、このようなケースは、他にも多く見られます。近年、そうした「データサイエンス」がビジネスにもたらす効果・効用について、多くの企業が注目するようになりました。

「例えば、Webの広告を出して、そこから得られた効果はどれくらいあるのかといったこと。もう少し深堀ると、Webサイトの回遊状況を見て、ここで離脱している人が多いのでサイト自体を回収しましょうといった提案。あるいはキャンペーンコンセプトがずれてしまい、今回はあまり効果が得られなかったので、次回はその反省の下、こういうコンセプトでやっていきましょうなど、データ分析を徹底的に行い、何度も提案を行いました」と「データサイエンティスト」の仕事を語るのが、D5Cのコンサルティング部門の佐藤浩也氏です。

ところが、成長著しい分野がゆえに、「データサイエンス」のビジネスに関わる領域は、全体的に人手不足の状態となっています。

「D5Cでも、データサイエンスに関わる人材を採用していますが、顧客のニーズに対して、供給が追い付いていないという状態です。良い人がいれば、顧客に対してもっといろいろな対応ができるように思うのですが…」と、人手不足の深刻化を指摘するのが、営業部門の責任者である新規事業開発担当の斎藤淳氏です。

いずれにしても人手不足の問題は、D5Cのビジネスモデルに大きく関わってきます。D5Cは「SES(システムエンジニアリングサービス)」という顧客にノウハウとスキル持った人材を提供するビジネスモデルがベースとなります。ところが人手不足の状態が続くと、その範囲のビジネスしかできないこととなり、結果、スケール(拡大)できません。そのためにも人材の採用、そして定着が大きなテーマとなっています。

その点について、人事担当の山口知与氏は、「当社では、初任給を世間相場より高く設定しています。仕事を一所懸命に頑張って成果を出しているからこそ、高い給料をもらえるのだということを自負してもらいたいのです。能力があって、努力する人は高い給料をもらう権利があり、さらにそういう人は自分自身で仕事を作り出します。それは、会社にとって大きなプラスであり、本人と会社の双方がWin-Winの関係となるからです」と新入社員の段階から賃金を高く設定する背景を述べています。

また、人事考課制度を作るに当たっても、取締役や部長陣だけで決めるのではなく、考課されるスタッフ・社員まで含めて、一緒にワークショップ形式で決めるといった取り組みを行っています。このような全社的に経営に関わろうとしているスタンスが、若い人たちにオープンな社風であることを印象付けることにつながっています。

D5Cはベンチャー企業ですが、KDDIのグループ会社ということもあり、安定性はあります。ただスターアップ5年目ということで、制度や組織は十分に整っているとは言えません。

「そうした点からも、組織をしっかりと作ることが大きなテーマと言えます。それはヒト・人事の側面だけではなく、財務・経理なども含めた組織づくりです。近年の言葉で言えば、組織開発が必要だと思います(山口氏)

●SESビジネスからの脱却

「データサイエンス」も、そのビジネスの在り方に変化が表れています。「この点について今、いろいろな仮説を作って、トライしている最中です。具体的には、人を出したら終わりというフロービジネスから、ストックビジネスに変えていくというところ。そこで、現場で得られた技術を蓄積し、効率的に汎用性を持たせて、効率よく顧客に支援をしていくといったサービスメニューの強化を考えています」と述べるのは斎藤淳氏。

例えば、KDDIで仕事をしていく中で蓄積した経験が、まさに一つのノウハウとなるわけです。そのノウハウをうまく蓄積し、D5Cの強みとして持てるような環境をまずは作っていくという、いわばナレッジビジネスと言うことができるでしょう。

「近年、リモートでコミュニケーションができるのは良いことですが、そのナレッジの観点で言うと、分散しすぎて、そこで培ったノウハウが属人化してしまっています。そのノウハウを一度中央に持ってきて、それを会社としての強みとして、事業開発できるような仕組みをまず作りたいのです」(斎藤氏)

ITビジネスは今、AIや機械学習ということで、どんどんツール化し、「データサイエンティスト」が機械に奪われることがあると言われています。この点について、「データサイエンス」は、人に残る仕事が絶対にある分野。なぜなら、機械で全て顧客をサポートできないから。機械ができるのはある程度までで、ある程度以上のところについては、人でしかできないことが少なくありません」(斎藤氏)。

今、D5Cとしては、人をコアにしたサービス展開が主流となっています。かつ、そこの部分の専門性を高めて、より質の高いサービスを顧客に提供していきたいと考えています。一方、現場で培ったノウハウを蓄積し、同時並行で汎用的に行うという部分を、D5Cの一つのツール化としてやっていきたいのです。

「まさにバイネームとツール化の展開。そのために必要な人材要件、教育は何なのか、その辺は人事部の山口氏と相談して詰めていきたいと考えています」(斎藤氏)

●ユーザーの手の届かないところの技術、サービスを提供する

IT業界では、先頭集団を走っているグーグルが、皆が使いやすくするためにシステムをオープン化しています。一方、ユーザーの手の届かないところの技術、サービスを提供するのがD5Cのポジション。「例えば、機械学習の自動化。その制度を担保することなど、です。人から機械・システムに置き換わっていく中で、顧客オリエンテッドに立ち、どのようなサービス価値を提供するかを、常々考えていかなくてはなりません」と述べるのは、技術ソリューション担当の中島貴之氏。

実際問題として、グーグルなどが行っているHRテックと、日本企業が取り組んでいるHRテックは、かなり違います。日本の企業で行っているのは、「タレントアナリティクス」であり、評価を可視化する点にポイントを置く取り組みです。一方、グーグルなどは視点が違います。例えば、マネジャーとは何かという点をデータ分析で明らかにするなど、組織で戦うためのHRテックに取り組んでいます。

「そもそも、日本企業は組織で戦うためにHRに取り組んできた歴史があります。しかしいま、HRテックで提供している部分に“ずれ”があると思います。個人で戦うという外資系の企業が、組織のためにデータ分析をしており、かつ、結果を残しています。一方、日本のHRテックは、個人を評価するといったことに陥っており、もう少し、視点を上げたアプローチをした方がいいのでは、と個人的には思います」(中島氏)

「データサイエンス」の未来を考えた場合、今後、D5Cとしてはまず、「お客様ありき」のスタンスの下、お客様の足場固めとして、お客様が理想としているものを実現しつつ、お客様のためにこういう視点でこういうことをやった方がいいのではという提案をしていくこと。それがD5Cに求められるアプローチと言えましょう。

*「中編」(D5Cの「将来像」「仕掛けていること」)に続く
*担当は2022年11月時点

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