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情シスならでは?私が出会った怪しいツール2

はじめに 「やさしさ」や「納期」が巻き起こす事件の数々

情シス部門のなすべき使命は事業会社によって様々ですが、代表的なものは下記ではないでしょうか。

 1.戦略の企画
 2.新規システム導入
 3.開発 既存システムの保守
 4.改修 PCやIT機器の調達・設定保守
 5.ネットワークインフラ整備保守
 6.小規模社内ツールの開発

これらの中で、

〇担当者が毎月苦労して困っているから・・・
〇システム改修が間に合いそうもないのでとりあえず・・

などの 様々な理由であやしいツールが誕生するものです。 私が実際に遭遇したものと、その原因を考えていきたいと思います。

遭遇その1.エクセルマクロ「合体君」全国デビュー!悲しみのバケツリレー

まずは私が作成したツールのお話です。

小売業態の情シスに所属していたのですが「管理会計と売上利益計画は店舗単位で立てるべし」という思想の会社でした。「管理会計」はエクセルで管理されており、そのエクセル数値をコピペして数値を合算して全店の「売上利益計画」を集計していたのでした。当時そのコピペ作業を必死で行っていた本部の担当者がいました。「コピペ王子」というあだ名までつけられたその担当者の工数を削減すべく、私が作成したのが 集計マクロの「合体君」でした。

これはたいそう喜ばれ、役にたてて私もうれしかったのですが、「合体君」が彼だけではなく「エリアマネージャー」 にも展開されるという事に及び、悲劇が起きました。店舗の管理に関しては、

〇いくつかの店舗を 管理する「エリアマネージャー」
〇エリアマネージャーを統括する「統括エリアマネージャー」

がいたのですが、この単位の集計にも「合体君」を活用しようとなったのです。 エリアマネージャーは70人位、統括エリアマネージャーは8人位、店舗は400店舗ほどでしたが、 そこに「合体君」がバラまかれる事となったわけです。経験浅かった私はそれを快諾しました。 その直後、「合体君」に不具合が発覚し、修正が必要に。「先ほどの合体君は破棄し、新しい合体君を利用してください」という伝達。 古いバージョンを使う事による店舗からの不具合問い合わせ。 そしてまた見つかる不具合と修正連絡のバケツリレー。 (最終的には合体君のファイル名にバージョン名がつきました) まさにカオスでありました。

遭遇その2.バッチファイルがどこにもない?

拠点毎にある販売管理から出力されたデータを、一つのデータベースに 取り込む処理が社内にある事はしっていました。 しかし、よくある事なのですが、その仕組みに関してのドキュメントはなく、処理の内容に関しては担当者の頭にしかないのでした。そんな時に事故はおこります。 毎日入るはずのデータがデータベースに入っていなかったのです。 こういう時に担当者がいないのもよくある事です。 処理が動いている(はずの)サーバーを確認しました。 が・・プログラムがありません。というよりも、タスクスケジューラに ジョブが何も設定されていないのです。JP1(導入されていた製品)を使ったのか・・? 見てみましたがそこにも処理はありませんでした。 しかし、サーバーのデスクトップは、定期的に黒いコンソール画面が立ち上がっているので、 何らかの処理がされている事は明らかでした。 「こ・・これは・・?」 あるメンバーが気づきました。実は、デスクトップの「壁紙」がHTMLになっており、 そこにPHPが仕込んであるというアクロバティックな実装になっていたのです。 「どうして・・こんな事に・・」 原因を確認したところ、担当者はPHP「しか」扱えなく、知恵を絞りだして定期的に データを登録する仕組みを構築したのでした。


次回、その3、その4に続きます。

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