創業のきっかけと家族からの影響
野本:田代さんが起業を決意するまでに、どんな出来事や出会いがあったのでしょうか?
田代:私にとって最大のきっかけは父親の存在です。父もSES業界で自分の会社を経営していて、私も学生時代から何度か現場を見ていました。ですが、父と自分では経営や人に対する考え方が大きく異なり、「同じ環境でも自分ならもっとよい組織をつくれる」と思うようになりました。たとえば、会社の方針や約束ごとがころころ変わることにはすごく違和感がありましたし、自分の意見や理想を実現するには、やはり自分でゼロからやってみたい気持ちが膨らみ続けました。
さらに、自分自身も複数のSES企業で働き、現場や上司、会社の都合で自分の成長やキャリアが左右されることに悩みました。父の会社とも他社とも違う、自分ならではの「信頼できる組織」「個々が自走できる環境」をつくりたかった、それが創業直結の原体験です。
幼少期~学生時代の原点
野本:小さい頃や学生時代は、どんなお子さんだったのでしょう?
田代:地元・町田で生まれて、外遊びが大好き。サッカーやラグビー、自治体の大会で水泳もしていました。自分で友達を誘うのが好きな一方、実は小学校中学年の頃は突然仲間外れにされるなど、孤独や疎外感も強く味わいました。当時は「なぜ?」「自分は何が悪いのか?」と、とにかく考える子供でした。その体験から人の感情や空気に敏感になった気がします。中高時代も一部でいじめに加勢しなかったことで、また距離を置かれたり。でも、「自分の意思や信じたことは曲げない」という芯がどんどん形成されていきました。
家庭環境と自立心の芽生え
野本:ご家庭やご両親との関係性についてもう少し聞かせてください。
田代:家庭は裕福とは言えず、どちらかというと節制気味。姉が5歳上なのですが、思春期が長く荒れていたこともあって、とくに小中高のころは両親の意識が姉側に向いていました。その分、私は家でも一人自分を閉じたり、「言わなくてもわかってもらえない」「自分でなんとかしなくては」と考える癖がついたと思います。父はクセが強く、“俺か俺以外か”という極端な頑固者。本音でぶつかり合うことも多かったですが、その分、家族のなかで「自分をどう通すか」を考え続けてきました。
正義感と価値観のルーツ
野本:子供の頃からご自身の中に正義感のようなものを持っていたのですね。
田代:はい。私は「これ、違うんじゃない?」と大人や先生にも言ってしまう子でした。生徒会役員など表で目立つ役は苦手でしたが、「理不尽に対しては絶対に流されない」と気持ちだけは常に強かったです。今振り返ると、自分で自分を守る術として培った価値観だったと思います。家族でも、親の言うことに疑問があれば正直に伝えていましたし、波風を立てるくらいなら我慢するのではなく「自分のために、ちゃんと伝えよう」と勇気を持つようにしていました。
孤独感・転機・自分との対話
野本:思春期から学生時代まで孤独感が強かったとのことですが、その後どう変わりましたか?
田代:家に家族がいても、心はどこか孤立していました。特に高校、大学時代は目標意識が強すぎて、わかり合える仲間が周囲にあまりいないと思っていました。けれど大学時代、あるとき「人や環境のせいにしても何も変わらない。全部を自分の意思で選択していこう」と腹をくくりました。そこから、自分で考え行動して失敗すれば全部自分の責任、うまくいけばまた自分の力、というシンプルな信念が生まれました。このタイミングが私の人生のターニングポイントですね。
社会人時代の挫折と価値観のアップデート
野本:社会人になってからは、どんな経験が価値観を形作りましたか?
田代:最初の会社では毎日の長い通勤に心身共に苦しみ、「自分にとってそもそも働く場所の条件って何だろう?」と本気で考え直しました。だから今、会社の選び方として「職場は絶対に近い方がいい!」って後輩にも笑いながら伝えています。加えて、筋トレや睡眠の重要さにも目覚めました。筋トレは心身の健康だけじゃなくストレス耐性や集中力にも役立ちましたし、睡眠の質が仕事のパフォーマンスすべてを左右するということも実感しています。自身の生活や習慣をアップデートし続けることの大切さは、社会人生活で強く学んだことです。
チームと仕事観、これから入る仲間への期待
野本:今、会社やチームを運営するうえで大切にしていることはなんですか?
田代:組織が小さいからこそ、一人ひとりの意志と行動が会社の方向に直結します。毎日、仮説を立てて、すぐ実行し、振り返り、改善する(極限のPDCAサイクル)を繰り返せるのは少人数フェーズの強み。失敗も成功も全部すぐ可視化されるので、本当に手応えがあります。逆に、自己管理できないとつらい環境ですが「自分で会社を創りたい」「新領域に挑戦したい」と思う人には絶好のフィールド。SESだけでなく、WEBマーケやAI、動画など新規事業の立ち上げもでき、手を挙げればなんでも任せられる。「普通の会社では10年単位で経験することを、ここなら2〜3年で全部経験できる」と胸を張って言えます。
プライベート・オフのこだわり
野本:休日やプライベートの時間はどう過ごすことが多いですか?
田代:まとまった休みがあれば、必ず海外に行きます。理由は、自分の視野を広げ直すため。海外で普段会わない人と出会い、異なる文化に触れることで「ああ、自分の今悩んでいることって本当に小さいな」と感じ直せるんです。それが私のリフレッシュ方法でもあり、自分をリセットする“原点回帰”みたいなもの。国内でもジムや自然の多い場所に行って身体を動かしたり、新しい趣味を探すのも好きです。
毎日の習慣・こだわりの仕事道具
野本:いつも大事にしている習慣や、これだけは手放せないツールは?
田代:筋トレは小学生の頃からずっと続いていて、健康維持だけでなくセルフマネジメントにも役立っていると感じます。パソコンやスマホも業務の要ですが、スマホは情報収集やコミュニケーションをクイックに回すのに必須。あと、睡眠に関しては寝具や寝る前の過ごし方にもすごくこだわっています。睡眠アプリやガジェットを色々試して、自分のコンディションを毎朝データで管理するのも習慣になっています。
私らしさ、そして今後
野本:ご自身の「らしさ」について、ご本人はどう感じていますか?何か特徴的な口癖や行動がありますか?
田代:「でも」を使って、その場を裏返すことがよくあります。ネガティブに思われがちだけど、むしろ「今は大変だけど、でもこうすれば変えられるよね」と、視点を切り替えるために使います。「できない理由よりも、何ができるかを探す」ための口癖ですね。
あとは、誰か・何かのせいにしない、常に自分に原因を求めて行動を振り返るのが自分らしい部分だと思っています。
まとめ:信念と挑戦
野本:代表田代は「自分の信念を妥協せず、人生やビジネスにおける様々な孤独や試練を自らの糧にして、常に前に進んでいく」経営者です。一人ひとりが自走できる透明なチーム環境を大切にし、常に成長機会をつくりだすこと、そしてそれを仲間と分かち合えることに心からこだわっています。「自分の手で会社や事業を動かしてみたい」「失敗も含めて新しいことに挑戦したい」と思う方に、これほど自由で刺激的な場所はないはずです。