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日米ワーママ対談 ~息子を成人させた米国支社ヘッドと役員1年目で1歳の息子を持つCAOの仕事の顔と母の顔~

<目次>

-「自分に優しくなりなさい」
1.女性リーダーにとって最大のチャレンジとは
2.子育てと仕事の両立の日米比較
3.「女性として強くありたい」ー働く理由
4.女性のリーダーを増やすには
5.なぜ、SheepMedicalなのか

-「自分に優しくなりなさい」

そうワーキングマザーと女性リーダーに語るのは、2021年10月よりSheepMedicalの米国代表として参画
したリー・A・エレルマイヤー。

医療系企業のCEO並びにCXO職をこれまで米国と欧州で歴任してきた彼女。
一児の母として、そして経営者として、仕事とプライベートの両立をどのように考え、
乗り越えてきたのだろうか。

1.女性リーダーにとって最大のチャレンジとは

梅本:子どもを育てながらビジネスを推進する上で最も意識すべきことは何だと思いますか?

Ellermeier:私は役職についている女性にとって最大のチャレンジは、自分に優しくなることだと
思います。「私は母親として十分な役割を果たせていない」とか、「経営者として十分な役割を果たせていない」というように、子どもを持つ女性リーダーの多くがつい自分を責めてしまいがちです。立場の
ある女性は、常に戦い、すべてにおいてベストを尽くそうとする傾向にあります。その結果、自分自身にベストを尽くせなくなってしまうのです。ですから、自分自身に優しさを持つことがとても大切だと
思います。自分が不完全であることを許してあげるのです。

梅本:(涙)開始早々、核心を突かれた気持ちです。

Ellermeier:私も思い返して涙が出てきました。子どもにとっても、あなたが自分自身に優しくしてさえいればいいのです。子どもが本当に必要としているのは愛であり、完璧な母親ではありません。

梅本:時間に限りがある中で、最大限の愛情で息子を見守りたいと思う反面、時々感情のコントロールが難しいこともあります。

Ellermeier:今はとても大変な時期だと思います。私の息子はもう23歳になりました。今では、私が働いてきた背中を見て、「母の偉大さや、自立することの重要性を学んだ」と周囲にも話してくれているようです。働いてきたことに後悔はありませんが、もう一度人生をやり直せるとしたら、一緒に過ごすことができなかった息子との時間を楽しみたいと思います。

梅本:息子がその歳になる姿をまだ全く想像できませんが、いつかLeaさんの息子さんのように立派に育つ日が来たらいいなと思います。

Ellermeier:自分のベストを尽くせば大丈夫。もしあなたが今自分が十分でないと感じても、
それはすでにベストなんです。もう1つは、母親であることを引け目に感じないこと。
母親であることが、私をより良い経営者にしてくれるはずです。母親であるからこそ、思いやりが増し、強くなり、世界を違った角度から見ることができるようになり、その視点が組織に価値をもたらすと考えています。

2.子育てと仕事の両立の日米比較

Ellermeier:過去に経営してきた会社では、母親も多く在籍してくれました。そのため、子どもを歓迎
する環境を整えました。例えば、子どもが病気で学校に行けないとか、休みだけど母親は仕事をしなければならない場合に備えて、おもちゃやビデオを置いた部屋を用意して、母親が部屋で仕事をして、子どもは遊んでいればOKという環境を作りました。
自分が大切にされていると感じれば、人は一生懸命働いてくれるものだと思います。だから、会社を設立して、女性を歓迎したいと思ったときには、そういう方法をとるべきだと思っています。

梅本:実は職場への託児所併設については、私も検討したものの、東京では適策とは言えないと思って
います。というのも、東京は通勤電車がすごく混んでいて、子どもを乗せるには押しつぶされるリスクと常に隣りあわせです。米国だとこの辺はどうでしょうか?

Ellermeier:車社会なので日本よりは子どもを職場に連れてくることのハードルは低いかもしれない
です。

梅本:うちの息子はチャイルドシートに座らず暴れるため、大人が2人いないと車で出かけられないです。これはうちの子だけなのか?と思ってしまうこともあります…

Ellermeier:(笑いながら)男の子はどのご家庭でもそうだと思います。

梅本:旦那さんの協力や、第三者の手は借りましたか?

Ellermeier:パートタイムのベビーシッターを雇っていました。彼女は掃除が好きだったので助かり
ました。米国では、母親が仕事をしていても全ての家事を行うことが当たり前という期待値があります。以前、ある人に「あら、あなたのご主人は息子さんのベビーシッターをしているの?」と言われたことがあります。私は、「ベビーシッター?息子は私の夫の子どもでもあるのよ」と返しました。

梅本:とても気持ちがわかります。日本でも多くのご家庭は同じ状況なのではないかと思います。
”手伝う”ではないんですよね。日本では子どもは保育園に預けることが多く、ベビーシッターを追加で
雇われている方は少ないと思いますが、私も病児保育の時には頼っています。

Ellermeier:夫にできるだけ協力してもらえるといいですね。でも、それが色んな理由で上手くいかなくても、がっかりしないという心持ちは大切だと思います。

3.「女性として強くありたい」ー働く理由

梅本:子どもを寝かしつけてから仕事をすることもよくあるのですが、子どもがその後目覚めることも
あり、私がいないとわかって大泣きし、私が仕事をしている部屋まで探しに来るので、また寝かしつけ、仕事に戻って、また起きてきてしまい・・・それを何度も何度も繰り返し疲れてしまう日もあります。
Leaさんも育児をしながら経営をされてきて本当に大変だったと思うのですが、どうして続けてこられた
のか、その情熱はどこからわいてきたのでしょうか?

Ellermeier:私の息子も同じでした。しばらくは大変だと思いますが、自分に優しくしていればきっと
大丈夫ですよ。赤ちゃんのすべてが段階的です。永遠に続くように感じますが、そうではありません。
彼らは少しずつ大きくなっていき、変化していくのです。だから、今、何が起こっていようと、それは
永遠ではないのです。そのことを忘れなければ大丈夫です。

仕事を続けてきた理由ですが、自分と息子のために、より豊かな人生を作りたかったということが
モチベーションの一つでした。そして、息子に強い女性像を見せたかったのです。

でも、とてもつらい時期があったのを覚えています。ある日私は役員会に遅刻してしまいました。息子を車に乗せていたのですが、息子は体調が悪くてオムツを汚してしまい、オフィスの中に入って交換するか、車に乗せてベビーシッターのところに行く必要がありました。私は役員会に遅刻してでも、オフィスの中でオムツを替えることにしました。仕事よりも母親であることの方が大切だとその時悟ったんです。このような選択をワーキングマザーは常に行っています。

4.女性のリーダーを増やすには

梅本:SDGsの取組を進める中で、女性リーダーを増やしていくには、制度よりも考え方、文化醸成が
すごく大切だと感じています。
FacebookのCOOのシェリル・サンドバーグさんは、「女性社員は、現実になるずっと前から育休明けの働き方を心配していますが、育休に入るその日まで、仕事にチャレンジ
し続けてほしいと思います」とかつておっしゃいました。私もまさしくその通りだと思っていて、この点に関してLeaさんのご意見を伺いたいです。

Ellermeier:私も彼女と同じ考えです。出産間近になると、女性は生活全体が変わってしまうので、
どんな感じになるのかわからずに不安になるのだと思います。私も、息子を出産する前は、忙しい生活を送っていると思っていましたが、出産してみると「あれ?忙しいと言いながらも、実は私は自分の時間を全部使っていたんだな」と思ったんです。大切なのは、女性がその過程で自分自身のことを思い出すことだと思います。母親になっても、それがあなたのすべてではないのです。エグゼクティブでもあり、
赤ちゃんを妊娠する前の”あなたそのもの”であることに変わりはありません。

梅本:もう1点シェリル・サンドバーグさんの書籍の中で、経営的な意思決定に対するスタンスで、女性
には自分は関係がないと考える人の割合が多く、意思決定の机に座ることの重要性を書かれていました。この点に関し、女性リーダーを増やす観点でどう思われますか?

Ellermeier:誰もが安心して自分の意見を言えるような環境をつくるのが何よりも大切だと思います。
もし、彼女らが意見を述べることで、他の人が彼女らに異議を唱えたり、攻撃したりするのではないかと恐れているとしたら、それは安全ではありません。そのため、たとえ価値のある意見であっても、何も
言わず、意見を言わない方が楽になってしまいます。女性の役員がいること、つまり、梅本さんが子どもを育てながらそのポジションにいるという状態自体がとても重要なことだと思います。あなたの姿を
見て、「私もリーダーになっていいんだ」とか「男性役員・社員とはこういう風に仕事をしているんだな」と女性社員たちが見て感じることができるからです。あなたが役員の役割をやり遂げることで、
次なる女性リーダーたちにドアを開けることができると思います。

5.なぜ、SheepMedicalなのか

梅本:LeaさんがSheepMedicalを選んだ背景を教えてくださいますか?

Ellermeier:一つ目は、SheepMedicalが日本で成長していることに感銘を受けた、ということです。
私はこれまでCEO職を18年務めてきました。その経験を会社の仕組みに取り入れることで、SheepMedicalに大きな影響を与えることができると思いました。
二つ目は、クリニックへの支援を中心としたビジネスがとても面白いと思ったんです。アメリカでは、
女性の歯科医師がたくさんいて、診療所を作るためのサポートを必要としています。また、アメリカではヒスパニック系の人々をマーケティングしているところはないと思います。実績のある製品に焦点を
当てたマーケティングを行うことで、医師が診療所を設立するのに役立つと考えています。
三つ目には、米国の代表になることは大きな挑戦であり、私は大きな挑戦が好きだということです。
また、私の息子が大学を卒業し、カリフォルニアで仕事を始めたこともあり、エネルギーが余って
いました。私の親友が「次にあなたの母性を向ける先が必要ね」と言ってくれたんです。
また、SheepMedicalが女性である私に声をかけてくれたことにも感動しました。
私が話をしたリクルーターは、私と話をするまでは男性にしか興味がないと言っていました。日本の会社は男性が多いので、私が適任だと思ってくれるかどうかはわかりませんでした。その点、SheepMedicalは非常にオープンマインドで、考え方が近しいとリクルーターが言っていたのです。

梅本:Leaさんに参画頂けて、同じ女性としてとても心強く、大変うれしく思います。

ー編集後記

ビジネスの最前線を走ってこられたLeaさんの涙と「もしもう一度人生をやり直すなら、時間を気にせず
息子と過ごしたい」という言葉。もしかしたら私は今「人生の中で宝物とすべき、貴重な時間を過ごしているのかもしれない」と、忙しさの中に見失っていた毎日で大切にすべきものを思い起こされた気が
します。日々、粒度や性質の異なる選択の連続で疲れる日があっても、「任せて頂いていること、
今できること、既にあるもの」に感謝しながら強く、そして自分に優しく歩んでいきたいと思います。 (CAO 梅本)

最後までお読みいただきありがとうございました。
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