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プロダクトマネジメントの心得

Photo by UX Indonesia on Unsplash

はじめに

こんにちは!株式会社みらい翻訳で、Mirai Translator®︎というAI自動翻訳サービスのプロダクトマネージャー(以下、PdM)をしている go こと田中です(弊社は全員ニックネームで呼び合っています)。

みらい翻訳では今年度からプロダクトマネジメント室という組織を発足し、CPO、PdM8名、UI/UX3名、Data Scientist2名などで構成されています。会社全体としてプロダクトマネジメントをより強化し、言語の壁を超えてお客様に新しい生活と仕事の様式もたらすべく、それぞれのメンバーが日々奔走しています。
今回は、みらい翻訳におけるプロダクトマネジメントについて少し紹介します。

みらい翻訳におけるプロダクトマネジメント

プロダクトマネジメント室はみらい翻訳組織としてのプロダクトマネジメント力強化を目的に発足しましたが、それはプロダクトが企業の競争力の源泉となると考えているためであり、さらには組織全体としてのプロダクトマネジメントを牽引するPdMを組織として体系的に育成するということが必要だったためです。

それらを実現すべくプロダクトマネジメント室を今年度発足しましたが、プロダクトマネジメントの考え方とPdMはみらい翻訳に3年以上前から存在していました。インターネットを介してプロダクトを提供するケース、いわゆるSaaSのプロダクトが増えていること、そして私たちの主力プロダクトもSaaSであるためプロダクトマネジメントは必要不可欠でした。

しかし最初の頃は、プロダクトマネジメントの考え方を組織全体に浸透させることも難しく、時には組織間でサイロ化が目立ったり、プロダクトや機能を「出して終わり」というビルドトラップ(Outcome ではなくOutput を追いかけてしまっている状況)にハマってしまうことなども多々ありました。

そこから、毎週のようにVPoEやEMと開発チームの体制や開発効率を向上させるために何ができるかを議論することもありましたし、その時の状況に応じてチーム編成を最適化しつつDevOpsを組織全体に推進する取り組みを考えたり、開発チームメンバーの一人一人がユーザーやビジネスを意識した開発をするためにKPI策定から一緒に議論したり、色々なことを行いました(上手くいったこともあれば、当然上手くいかなかったことも・・・)。
また、「出して終わり」にしないために、必ずWhyを意識するよう心がけました。これは弊社CEOの鳥居からの教えであり、組織内で何度も何度もWhyの重要性を説いていただきました。「誰を」「どのような状態にしたいのか」、それは「なぜ」か、それは「どのような仮説」のもと「何を検証」したいのか。そして作ったものは「ユーザにどう届けて」どのように「オンボーディング」し、「どう顧客価値の最大化に導くか」、それらを「どう評価するか」。そういったことを企画段階からちゃんと考え、開発チームやセールス&マーケティングチームと議論していくことで、やるべきこと、今の自分達やシステムに足りていないことが自ずと見えてくるようになってきました。

まだまだ発展途上ではありますが、最近では、PdMと開発チームがより一体となっていかにリーンな開発をしてユーザにいち早く価値を届けることができるかをエンジニア主体で考えるようになったり、コア技術やモデル開発を行うチームと一緒に翻訳を行うユーザーの翻訳体験に関して定期的に議論したり、セールス&マーケティングチームと一緒にユーザー接点を増やしたり、お客様がみらい翻訳のプロダクトを使って良かったと思ってもらえるようカスタマーサクセスを実現させる施策を考えたり、組織全体がより一体となって一つのプロダクトを成功に導くために知恵を出し合っています。PdMはもちろんのこと、プロダクトに関わる全員が自分ごと化して一人一人が変わらないと組織もプロダクトも成長しないため、少しずつ良い状態になってきていると思っています。

今年後から新しくPdMのメンバーも増え、プロダクトマネジメント室という新たな組織もできたため、より一層プロダクトマネジメントをしっかり行い、より多くのお客様により長く、よりたくさん使ってもらえるようなプロダクトを開発していきます!
次に、その中で私が最近強く意識していることについてお話ししたいと思います。

ユーザー理解

めちゃくちゃ重要だと分かっているけど難しい。それがユーザー理解です。
当然このユーザー理解もPdMだけでなく、プロダクト開発に関わる全ての人にとって重要だと考えています。以前私が前職で仕事をしていた頃はユーザーとの距離が非常に遠く、自分が作ったものがどのように使われているかが分からないし、考えたこともありませんでした。ただの自己満開発で止まっていたのはかなり反省です・・・。

人というものは時代の流れや社会の変化によってすぐに変わっていきますし、人の行動というものも多様化、複雑化してきています。ユーザーの変化を常に把握し、ユーザーに価値を与えるプロダクトに変えていかなければ使い続けてもらうのは困難です。

営業の方に喜ばれるプロダクトの条件として「手離れが良いプロダクト」というのをよく耳にしますが、確かに手離れが良いと学習コストやサポートコストも抑えられて売りやすいというのはありますが、一歩間違えればユーザー接点を減らす、放棄するようなプロダクトにもなり得ます。

提供するプロダクトがちゃんと意図通りユーザーに価値が届いているか、満足してくれているか、変容や変革をもたらしたか、そういったカスタマーサクセスは今の時代必ず必要になってくるので、むしろプロアクティブにお客様にアプローチしていくのが大事だと考えています。

みらい翻訳でも、ユーザーインタビューやアンケート調査などの定性的な分析や、データ分析などの定量的な分析を行うことでインサイトを得たり、仮説の検証を行なったりということをやっています。

例えば、下図は利用量のイメージ図ですが、季節要因の変動(ゴールデンウィークはお客様企業も休みに入られるところが多く利用が減る等)を把握したり、カスタマーサクセスの施策や機能改善の前後でどのように利用量に変化が見られるか、なども分析したりします。

もし下記のようなプロダクト開発をしているならば要注意です。

・とにかく最新技術を使った機能を作る
・お客様に要望された機能を要望通りに作る
・上司に言われたものを言われた期日通りに作る
・チーム内では満足のいくものを作った後にとりあえずPoCをする

これらは典型的なビルドトラップの一例ですが、「とりあえずものを作って出す」ということが目的になってしまうとユーザーの本質的な課題を理解しないままコストだけ無駄にかかることが多いです。

大事なことなので繰り返しお伝えしますが、必ず、機能やプロダクトを作る前には「誰を」「どのような状態にしたいか」「それによってどのような効果やインパクト(ユーザに対して、自社に対しての両面)を期待しているか」などの仮説をしっかり立て、それらをどのように検証するかまでを作る前に考えておくことが大事です。
そうすると、「とりあえずものを作って出す」という考えから脱却し、まず仮説を立てるようになるし、その仮説を検証するためのユーザー接点やデータ分析ができる環境・基盤が必要であることに気づけます。

最後に

プロダクトマネジメントについても、ユーザー理解のための活動についても、私たちもまだまだ道半ばで未熟な点も多くありますが、全員が重要性を理解し、意識をしながら取り組んでいます。

組織としてプロダクトマネジメントに関するスキルを高めるため、社内でPdM勉強会を始めて本の輪読会をやったり、ユーザー理解を深めるために今何ができるか、そもそもPdMチームの課題は何なのか、みたいなことを議論する時間を増やしたり、業務のプロセス改善を行なったりと色々チャレンジしています。

特に個人的にはこの「ユーザー理解」というのは本当に大事だと思っていますが、自分もまだまだできていないと思っています。ユーザー理解しようとしているんだけど十分やれておらず、つまり大事なことは分かっているんだけど自分が思うようには意識して行動に移し切れていないという状況です。

皆さんは意識せずともユーザー理解を深める行動が取れていますか?それとも無意識的には無理だけど意識をすれば行動できていますか?もしできているのであれば、それは自分だけでなくチームのみんなができるように働きかけたり、仕組みを確立したりしていますか?ユーザー理解することを意識すらしていませんか?そもそもユーザー理解に重要性を感じていないですか?
一度、ご自身のユーザーとの向き合い方について考えてみていただけると、何か新しい課題が見えてくるのではないかなと思います。

今回は、弊社でのプロダクトマネジメントやユーザー理解について少しだけ紹介させていただきました。
みらい翻訳は現在多くのポジションで仲間を募集しています!この記事を読んで少しでもご興味を持っていただけたら、是非カジュアル面談にいらしてください!

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