近年、プロダクトマネージャーという職種は、さまざまな業界で需要が高まっています。しかし、職種としての歴史が浅い日本では、業務が属人化してしまったり、セールスサイドの立場が強いことで、開発サイドに顧客情報が届きにくかったりといった課題も。
そこで、プロダクトマネージャーがより創造的な業務に注力できるよう取り組んでいるのがフライルです。「Flyle」は、製品フィードバックや失注・解約理由など、多様な経路のデータを集約・一元化し、機能開発の優先度づけ・ロードマップ作成/共有をサポートするサービスです。それにより、プロダクトマネージャーの労働集約的な業務の効率化・自動化を図っています。
今回はCTOの荒井 利晃とエンジニアの吉澤 直哉にインタビューを実施し、プロダクトの魅力や働くやりがいについて聞きました。
プロフィール
荒井 利晃 / CTO
ビジョナル(旧ビズリーチ)の新卒1期生として入社。エンジニアとして複数のHRサービスの開発に従事した後、プロダクトマネージャーを経験。フライルでは共同創業者として、立ち上げ期からCTOとプロダクトオーナーを担当する。
吉澤 直哉 / エンジニア
2009年に新卒でYahoo! Japanに入社。エンジニアとして開発経験を積む中でGoに出会い、2015年にGunosyに転職。主にGoでバックエンドを担当し、リードエンジニアも経験。
2022年9月にフライルに入社後は、フロントエンド、バックエンドに加え、インフラも担当する。
あらゆる職種が悩んでいた「プロダクトフィードバック」に効率的にアクセスできない問題
―まずはFlyleを開発した経緯を聞かせてください。
荒井:私たちの会社は、私を含めた3名の共同創業者で立ち上げており、もともとは評価や育成にフォーカスを当てた360度フィードバックツールを開発しようとしていました。しかし、ユーザーインタビューを繰り返していく中で、あまり市場のニーズを感じられなくて。
その一方で、同じ「フィードバック」でもHRではなく、製品に対するフィードバックに対するニーズを強く感じたのです。ターゲットを人事からカスタマーサクセスやプロダクトマネージャーに切り替え、100名ほどにインタビューをしてきました。それがFlyleの始まりです。
―プロダクトマネージャーたちはどのような課題を抱えていたのでしょうか。
荒井:サービスを改善するために必要なユーザーからのフィードバックが、さまざまな場所に散らばっているという問題です。直接ユーザーから問い合わせがくる場合もあれば、Slackやスプレッドシートにまとめている場合、セールスやカスタマーサクセスがCRMなどのシステムに持っている場合もある。プロダクトマネージャーは、わざわざ他部署にそれらの情報を聞きに行ったり、別のツールにアクセスして顧客の声を把握する必要がありました。
そのような課題の存在に気づいた時、私たち創業者3名もセールス、マーケティング、開発のそれぞれの立場から問題の深さを感じたのです。
―様々な役職から課題が浮き彫りになったのですね。
荒井:代表の財部はセールス出身で、顧客からのフィードバックをもらう立場でしたが、それを開発サイドに伝えてもなかなか取り合ってもらえないという問題を感じていて。一方で、前職でプロダクトマネージャーをしていた私は、営業サイドはこちらから話を聞きに行くと顧客の話を教えてくれるのですが、それらの情報がアクセスしにくく、オープンになっていないことを課題に感じていました。
また、前職でマーケティング責任者をしていたCOOの相羽は、短期的にマーケティングコストをかけても、プロダクトが改善され続けなければ継続的に売上を伸ばせないという課題感を持っていて。三者三様の課題を感じた私たちは、プロダクトフィードバックを効率化するツールの開発に切り替えたのです。
FlyleがBtoB企業から支持される理由とは
―どのようにプロダクトフィードバックを効率化するのか、現在のサービス概要について教えてください。
荒井:「ユーザードリブンなプロダクト開発を実現する」をコンセプトに、様々な場所に散らばるユーザーの声を一元管理して、それを基にプロダクト開発をサポートするツールです。受注・失注理由や改善要望など様々なユーザーの声をリファレンスにすることで、開発の優先順位を決めやすくなったり、ステークホルダーに対して根拠を示しやすくなるなど、プロダクトマネージャーの一連の業務の支援に繋がっています。
―ユーザーの声を集めるとは、具体的にどうしているのでしょうか?
荒井:たとえばSlackやSalesforce、Zendeskなどのツールと連携することにより、そこから日々あらゆるツールに蓄積されるユーザーの声を半自動で取り込むことができます。集めたユーザーの声は「ソリューション」と呼ばれる開発アイデアに紐付けることで、どの課題・ソリューションに対してユーザーの関心が集まっているのかが可視化されていきます。
現在は100社程度のお客様に使っていただいており、特にBtoB SaaSの会社からの引き合いが強いですね。PMFを達成し、組織も大きくなってくると、プロダクトを成長させるために顧客の声が重要になります。しかし、顧客数が多くなればなるほど、組織の管理も煩雑になってきて改善が難しい。そのような課題を持っている組織が、私たちのツールを使って効率的にクライアントの声を集めて、プロダクトの改善に用いてくれています。
―BtoB SaaSの企業からの引き合いが強い理由があれば教えてください。
荒井:顧客接点となるビジネスチームを抱えている企業の方が、顧客の声が散りやすく、私たちのプロダクトのニーズが強いのだと思います。BtoB SaaSにはセールスやカスタマーサクセスといった複数のチームが必要なので。
Salesforceの商談情報には、クライアントとの商談で頂いた改善要望・受注/失注理由が高い精度で書かれていますが、それらが開発チームに共有されなければ意味がありません。私たちのツールを使うことで、プロダクトの改善に伸び悩んでいた会社の改善のスピードが上がったという声もよくいただきます。
加えて、ビジネスチームもフィードバックを共有しやすくなり、ビジネスサイドと開発サイドの情報共有がスムーズになるという声も副次的な効果として聞いています。
―これまで、そのような課題を解決するサービスはなかったのでしょうか?
荒井:海外には類似サービスが続々と生まれており、市場が生まれつつあります。一方で国内では明確な競合となる企業はいません。私たちのクライアントのなかにも、海外のツールからFlyleにシフトした企業もいます。それ以外は、Slackにフィードバックチャンネルを作ったり、スプレッドシートなどで管理していた企業が大半です。
サービスを拡充するために欠かせないエンジニア採用
―今後はどのようにサービス展開していくのか教えてください!
荒井:現在はBtoB企業のクライアントが多いですが、今後はクライアントの幅も広げていきたいと思っています。そのためには機能を拡充し、より多くの企業のニーズを満たせるツールにしなければいけません。
ユーザーの声を収集するチャネルを増やし、プロダクトマネージャー業務を全般的にサポートするなど、より付加価値を高めていきたいと思っています。そのためには開発をより加速させるためのエンジニア採用が急務です。
―新しくジョインするエンジニアに、どのようなことを期待していますか?
荒井:まだまだプロダクトマネージャーの業務をカバーしきれていないので、より幅広くサポートできる機能を拡充していってもらいたいと思っています。たとえば今は社内の人間がお客様の声を聞いてフィードバックをあげるフローをメインにしていますが、エンドユーザーから直接フィードバックを集められるような機能も追加したいと思っていて。
今後はエンタープライズ企業にも展開していきたいと思っているので、そこにどんな課題があり、どんな機能が必要なのか考えながら開発できる方と働きたいと思っています。
―そのために、どのような志向性の方がマッチすると思いますか?
荒井:課題ドリブンで考えられる方だと思います。エンジニアなので技術面を磨いていきたいモチベーションはあるとして「この技術で何かしたい」より先に「この課題を解決するのに、どんな技術が必要か」と考えられる人です。
そのため、プロダクトマネージャーがどんな問題を抱えているのか、自分ごととして捉えられる人はマッチすると思います。理想を言えば、今までのプロダクト開発経験を通じて、Flyleが解こうとしている課題を感じたことがある人だとうれしいです。
今年ジョインしてくれた吉澤さんも、まさに自身の経験から私たちのコンセプトに共感して応募してくれました。
エンジニアから見たフライルで働くやりがい
―吉澤さんは前職までに、どのような問題を感じていたのか聞かせてください。
吉澤:プロダクトマネージャーと開発チームの間で優先度のすり合わせにコストがかかることに課題を感じていました。プロダクトマネージャーがどうしてそれを作るのかを説明するために各種ツールからデータを集めてくる必要があることと、個人のスキルに依存するので再現性がないと感じていて。
開発チームとしては色々やりたいことがある中で「それが一番優先順位高いのかな?」と思うこともあり、フライルのプロダクトならそのような問題も解決できると思ったのです。
―吉澤さんは現在、どのような業務を担当しているのでしょうか?
吉澤:まだ開発組織も小さく、業務が明確に分かれているわけでもないので、プロダクトの開発に必要なことは何でもやっています。フロントエンドもバックエンドの開発もしていますし、時にはインフラ領域を自分で触ることもあります。
これからジョインする方も幅広く開発するのに抵抗がない方だと嬉しいですし、理想を言えば実際にできる方だといいですね。
―フライルで働く魅力をどこに感じているのか聞かせてください。
吉澤:顧客の声を直接聞いてプロダクトの改善に反映できることです。顧客と接する機会が多いため、実際にプロダクトを使った感想や改善点を聞けます。自分たちが作ったものが実際に使われている実感を持って開発できます。
―最後にフライルに興味を持った方へのメッセージをお願いします。
吉澤:プロダクトマネージャーに興味を持っている方にとっては、ここほどいい環境はないと思います。プロダクトマネジメントは業界や企業によってもやり方が違いますし、なかなか他社でどのように行われているのか見ることはできません。
私たちの会社ほど、他社のプロダクトマネジメントのノウハウを見る会社はないので、仕事をしながらそのスキルなどを身に着けられるはずです。エンジニアとしてのスキルは必要ですが、それ以上にプロダクトマネージャーという職種に興味のある人は、話を聞きに来て損はないと思います。
荒井:私たちは将来的にグローバル展開も目指していますが、そのために超えなければ壁がいくつもあります。そういうチャレンジングな環境で挑戦したいという方は、ぜひ一緒に戦いましょう。
また、私たちはプロダクト作りにおいて強いこだわりを持っているため、自身でプロダクトマネジメントに課題を感じたことがある方とぜひ一緒に働きたいと思っています。自分の経験がそのままプロダクト作りに活きるので、ぜひ一度話を聞きに来てみてください。