社会福祉法人 わらしこ保育園&わらしこ第2保育園
社会福祉法人わらしこの会は東京都府中市にあるわらしこ保育園とわらしこ第2保育園を運営しています。私たちは「一人でも多くの子どもたちが、平和な世の中で、安心できる大人のもとで伸び伸びと育ってほしい」を保育理念としています。
https://warashiko.com/
みなみ学童保育所の施設長・伊藤旭男さん。短大の保育課で学んだものの、卒業後すんなりと保育業界に就職したわけではありませんでした。「将来がはっきり見えていないまま、社会に出てしまった」と当時を振り返ります。ぼんやりとした人生が、すっきりと晴れる転機となったのは?そして今、保育というお仕事について、どう考えているのか。話を聞いてみました――。
探していた場所がここに
――わらしこの会に入職されたのは20年前ということですが、それまでは何を?
伊藤 海外に行ったり、北海道で酪農をしたり。生きがいを見つけられずにいました。学生時代の恩師の紹介でベラルーシに行き、難病を患った子どもを支援したり。カンボジアのスラム街で半年間暮らしてみたり。北海道では農事スタッフとしてはたらいていました。
――北海道にいたときに、わらしこの会に入るきっかけが生まれたそうですが。
伊藤 学生時代の実習でお世話になった保育園の職員の方が、わらしこ保育園の大伴さん(=大伴美砂子園長)と知り合いで「男性保育士を探している」と。当時は、ちょうど無認可から認可保育園になる頃でした。とりあえず園の様子を見せてもらったのですが、そしたら、ぼんやりしていた自分の視界が、もやが晴れるみたいにすっきり見えてきたように思えたのです。
人と人として対等な関係
――見学して、何を見たのでしょう?
伊藤 狭い部屋のなかを元気に走り回っている子どもの姿。実は、それだけなんです。でも私には「これまで悩んできたけれど、探していた場所はここにあった」と、ピンときたのです。保育士の資格もある。生きていく楽しさを子どもたちに伝えていこう。ここで、そんな仕事をしよう。そう思いました。
――「こういう保育を、自分もやってみたい」と思った?
伊藤 大人が子どもに指示を出して従わせるのではなくて、人と人として対等な関係で、いろんなことに工夫して取り組んでいく。そのなかで子どもが生きる力を育んでいく。自己肯定感が得られるというか。子どもが「自分はこういうことができるんだ」と、自信を持てるようにしていく保育が行なわれていました。大人と子どもがしっかり向き合っている。こういう保育があるんだ。これが私がやりたかったことなんだと気付きました。
生きていく力が身に付くように
――わらしこ保育園とほかの保育園には、どんな違いがあるのでしょうか?
伊藤 実習でお世話になった保育園なども良かったのですが、大きな違いがあるとすれば、生きていく力を子どもが身に付けていけるように、思い切った取り組みを、本気で行なっていることでしょうか。そのひとつの例が、松之山での合宿でしょう。私がわらしこ保育園ではたらいていたときには、毎月のように行っていましたし、あるときは「1週間合宿してみようか」と。大自然のなかで1週間生活してみる。すると子どもの様子が明らかに変わるのです。こういうことをやるためには、保護者の方の理解が必要です。田植えや稲刈りを教えてくれたりする地元の農家の人にも協力していただく必要があります。たくさん手間がかかりますが、それでもやるのです。いろんなところとつながっていこう。そして、子どもたちのために、みんなでできることをやっていこう。そんな姿勢であることも、わらしこの会の良さであり、魅力だと思います。
おやつの時間はすごく大事
――わらしこ保育園を経て、現在はみなみ学童保育所の施設長。保育士と放課後児童支援員の両方を経験されています。学童保育所は小金井市から委託されての運営ということも含めて、どんな気持ちでお仕事に向き合っていらっしゃるのでしょうか?
伊藤 運営を託されて、何が自分たちにできるのか?そこからスタートしました。子どもたちと長い時間を一緒に過ごせる保育園とは違って、学童保育は子どもが帰ってくるのが14時45分頃。6時間授業の日は15時30分を過ぎてしまいます。冬場など1時間しか学童にいられません。そのわずかな時間だけでも、子どもたちには「きょうも来て良かった」と思ってほしい。そう考えて「待ってたよ」という気持ちが伝わる、手づくりのおやつを出しています。ドーナツ、おにぎり、ホットケーキに、ラーメンも。この間はバスク風チーズケーキにチャレンジしました。キッチンから毎日違う匂いがする。きょうは何かな?誰がつくっているのかな?子どもたちにとって、おやつの時間はすごく大事な時間です。だからこそ、市販の物などで、簡単にすませたくなくて、気持ちを伝えたい。自分たちで手づくりするということは、私たちにしてみてもチャレンジです。そういう姿も見てくれています。失敗してかたちがくずれても「大丈夫。食べられるから」なんて言って、励ましてくれますから。食べ物を粗末にするような子がいれば、子ども同士で注意してくれたりしています。
子どもが主役の取り組み
――保育園と学童保育所で「保育の違い」を感じるところは?
伊藤 まず遊びの動き。どんどんダイナミックになっていきます。そして、子どもたちだけでいろんなアイデアを出して、ふくらませていく。子どもたちだけで話し合って、かたちにしていく。その過程を見守る面白さは保育園では味わえなくて、学童ならではといえます。子どもが主役になって何かに取り組むことを支えたい。そんなタイプの方なら、保育園よりも学童向きかもしれませんね。
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