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チケット「手売り文化」の弊害をteketでなくしたい

世の中にはさまざまなサービスが存在しますが、その価値は規模の大小ではなく、どれだけ対象者の課題(イシュー)を解決できたかで決まるのではないでしょうか。

ホン株式会社が、株式会社NTTドコモの新規事業創出プログラム「39works」を利用してNTTドコモと開始した「teket」も、世の中全体から見れば小さいかもしれない声に対し、大きな価値を提供することが期待されるサービスの1つです。

 ー teketを企画・開発した背景(創業者:島村)

私はプライベートで10近くのアマチュアオーケストラ団体に所属しており、年間20〜30公演を行なっているのですが、どの団体・公演においても共通している課題が1つあります。それは「チケットの手売り・手渡し」に伴う時間と労力、つまりチケットに関する管理コストの問題です。

私の所属している団体の場合だいたい1公演あたり約1,000名のお客様にご来場いただくのですが、その実に約9割は団体からの手渡しや取り置きによる紙のチケットを利用してのものであり、web上のチケットサービスを利用しての一般来場者は1割程度となっています。そしてこの全体の9割を占める紙のチケットの管理コストのせいで、その団体でもチケット係になった人は練習もままならないほど多忙になってしまっているというのが現状です。

まずはこの大きな大きな課題から解消したかったというのが、teketを企画・開発した直接の背景になります。

 ー 知り合いによる直接の購入比率の高さはアマチュア団体の運営上、避けがたい構造かと思われますが、それがどうして深刻な課題につながってしまうのでしょうか。

例えば私が所属している団体の多くは団員が100名という規模感なんですが、その100名は各々でチケットを手売り・手渡ししているわけです。 そうなると販売状況を管理する取りまとめ役側、つまりチケット係の作業は、とにかく膨大なものになるんですよ。 だって100名から個別にチケット販売・取り置きについての連絡が入り、それを手作業で管理していくわけですから。 しかも多くの団体では、その係の人は1名だけだったりするのです。

昔はメール、今ならGoogleのスプレットシートなどで管理することでデータの記録だけは楽になった部分もありますが、結局は紙のチケットならちゃんと封筒に入れて団員に渡してあげるなどの作業も発生してしまいます。 また、当日の取り置き分は誰かに受け付け係をやってもらう必要もありますし、枚数が多ければお客さんに数十分近く待ってもらうような状況となることも珍しくありません。

そして何よりも大変なのが指定席の管理作業です。全席自由席であればお金と販売枚数の管理だけで済むかもしれませんが、どの席を誰に販売したか、それをきっちりやらないといけない。 こでが既存の販売サービスでは難しいんです。

チケット係の人は、よくイベント会場の座席表を印刷し、ひとつひとつ塗りつぶして管理するという超アナログ手法で極めて慎重に対応しています。やっぱり知り合いの皆さんにはできるだけ良い席で見て欲しいという希望があることも含め、指定席を間違えるわけにはいきませんからね。

電子チケットだからこそできること


 ー それらの問題を一挙に解決できるのが、teketというわけですね

はい。teketは本当に私自身が待ち望んでいたサービスなんです。手売りの紙チケットがteketによる電子チケットに置き換わることで、まずチケット自体の手渡しの時間や当日の取り置き・受付対応が不要になります。 そして何よりも指定席の管理がデータ上でできることで、チケット係がアナログの記録管理業務からようやく解放されるようになるんですよ。

 ー とはいえ、長年「手作りの文化」がある種定着している業界で、いきなり電子化はユーザーも戸惑うのではないでしょうか。特に高齢者の方には敷居が高そうなイメージですが。

そんなことはないですよ。クラッシックの世界でも、ぴあさんなど大手のチケット販売サービス利用時はもちろん、海外での公演を見ようとすれば電子チケットでの購入というのは既に当たり前になっています。 そもそも飛行機に乗る時は皆さん普通に電子チケットで購入されているわけですから、体験としての壁自体は高くないんじゃないですかね。

 ー 販売・および、座席管理面以外の部分でteketの強みはありますか。

データ化によるメリットは、当然ながら管理コストの解消だけではありません。チケットの販売状況がリアルタイムで把握できるようになることで、 例えば売上進捗が芳しくなければ販促のための対策が立てられるようになります。さらにチケット購入者がデータリスト化されれば、次回公演にお客さんを呼ぶための的確なアクションができるようにもなります。

毎回満員御礼となるような人気団体はともかく、プロモーションやマーケティングの面で各団体がデータを生かせるようになるというのは、集客の改善という点において非常に大きいと思います。 来場者分析や新規客の後追いまできちんとやっているのは、実はプロの団体でも少ないですからね。

 ー それでは最後に、まだスタートしたばかりのteketの今後の展望などを教えてください。

teketは私自身の実体験も踏まえて企画・開発を進めてきてサービスですので、販売側の課題会場にはすぐにでも貢献できると信じています。

また、最初は入り口としての大きさもあってオーケストラでの利用を想定した打ち出しとなっていましたが、現在は、音楽、お笑い、スポーツ、演劇、伝統芸能など、様々なジャンルのイベント利用にも適したサービスになっています。

あとはとにかく早く、今まで以上に多くのお客さんに「これ便利だね!」と使ってもらえるようになりたいです。慣れてしまえば使いやすく、他のイベントで使って見ようと思えるサービスになれるよう、 適宜アップデートさせながらより良いサービスとなれるよう頑張ります。

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