100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。
今日も複業メディア「ウィズパラ」で取り扱ったテーマ「フリーランスのブルシット・ジョブとは!?ブルシット・ジョブを徹底的に回避するだけでフリーランスは余裕なワケ」についてお話します。(元記事:https://wizpara.com/2992/)
今までの人生、親友に裏切られたり、ブラック企業を渡り歩くなど、気が遠くなるような多くの回り道をしてきましたが、最近、ようやく仕事と人生に余裕が出てきました。
お金面でも時間面でも精神面でも。
今の余裕は、じぶんが人より努力をしたからではありません。
ひとえに自分のやり方の誤りが誤りであると潔く認め、改善するための行動をしてきたからです。
そのために自分のやり方が合っているのか判断するため、多くのことを学びました。
小手先のスキルではなく、人生をよりよく生きるため、自由を手に入れるための教養を身に付けるために、ひたすら読書と教養系Youtubeを観まくったのです。
そして多くの気づきに至ったわけですが、今日はそのうちのひとつ・・・「人生は引き算」が超大事ということを話していきたいと思います。
具体的にはブルシット・ジョブをしない(しょうもない仕事をひき受けない・生み出さない)ということにつきると思います。
「ブルシット・ジョブ」とは、アメリカの人類学者デヴィッド・グレーバーが提唱した概念で、働く本人でさえ「役に立たない」「無意味だ」と感じる、不必要かつ有害な有償の雇用形態を指します。仕事に意味があるように見せかけなければならないという「演技」が求められ、ストレスや精神的負担を強いられることが特徴です。
ブルシット・ジョブの特徴
本人が無意味だと自覚している:本人ですら、その仕事の必要性を正当化できないと感じています。
社会的な貢献がない:世の中や社会全体に何の貢献もしていないと感じられます。
「演技」が求められる:本来無意味な仕事であるにもかかわらず、「大事な仕事だ」と周囲に示したり、自分を納得させたりするための「演技」が求められます。
精神的な苦痛を伴う:人は役に立ったり何かを生み出したりすることで自分の価値を感じるため、無意味な仕事を続けることは精神的な苦痛や「魂を吸い取る」ような感覚を伴うとされています。
何か特別なことをするということではなく、無意味で無価値、人生からお金や労力、時間、健康を奪っていくものを避ける、そぎ落としていくことだけで、人生は簡単に自由になりますし余裕も生まれます。これは100%間違いありません。
ちなみにブルシット・ジョブの多くはフリーランスではなく基本、上司からの仕事の指示を断るのが難しいサラリーマンだけの話であると思われがちですが、何のことはないフリーランスの世界にもブルシット・ジョブは多いです。
今、日々の仕事に追われて余裕が無く、ストレスフルな生活を送っている人は、間違いなくブルシット・ジョブに巻き込まれていると言えるでしょう。
本来、仕事内容も、クライアントも、共に働く仲間も、働く場所も時間も選べるフリーランスがなぜブルシット・ジョブに巻き込まれるのか、そしてブルシット・ジョブを回避するだけでフリーランスは成功したもの同然という話を展開していきたいと思います。
フリーランスのブルシット・ジョブとは
フリーランス、とくにWeb系フリーランスといわれる人たちにとってのブルシット・ジョブにはどのようなものがあるか挙げていきます。
クライアントの要望でどう考えても無価値の制作物を作らされる
クライアント、特に現場のことを丸投げしているくせに最終的に気分的な意見で仕様を変更させたり、追加で無価値のものを作らせようとする経営者・・・。
ひどいときは成果物に対し、やっぱりいらないと言って報酬の支払いを拒否する輩すらいます。
そんな人たちに末端のフリーランスは翻弄されます。
予め受託契約時に、こういった事を想定して、この様な事態を予防することは可能です。
例えば仕様書や受託内容・条件をこれ以上ないくらいしっかりと明確に事前に用意すれば、仕様書や契約書以外の仕事は断れるか、追加で費用はもらえるでしょう。
不払いのリスクも最初に前払いか手付金のような形で何割か事前に支払ってもらうことでリスクは減らせます。
ただ断ったり、事前に予防線を張りすぎる事で今後仕事がもらえなくなるというリスクは確かに存在していることから、フリーランスもこの手のブルシットジョブをひき受けがちという現実があります。
仕事に結びつかない(ほとんど)交際費・交際の時間
じぶんはフリーランスとなってから今まで17年以上も活動してきたわけですが、交際費が功を奏して仕事に発展したことはほとんどありません。
売り上げに結びつかない交際費を使うという事は、その分、無駄な仕事をしているのとイコールなため、一種のブルシットジョブと言えます。
またお金だけでなく、無駄な飲み会に参加することで飲んでいる間の無駄な時間、翌日の二日酔いという無駄な時間、それどころか健康もダメージを受けるわけですから、凄まじいブルシットジョブと言えることができるでしょう。
交際費の全てが悪いとは言いませんが、先方を接待のために高い飲み屋に連れていく的なザ・昭和な営業の仕方はブルシットジョブと呼んでしまって差しさわりないでしょう。
無駄な手続き、無駄な連絡のやり取り
日本にはハンコ文化や、メールやLINEすれば住むところを郵送やFAXしなければならないなど、意味不明で無駄な手続きが残る珍しい国と言えます。
日本の生産性が低いと言われるのは、まさにこの無駄な手続きや商慣習が残っているためでしょう。
フリーランスが仕事を切られたくないとブルシットジョブに付き合うのが良い事か、悪い事か・・・。
よほど割りの良い仕事であれば、そういった無駄な手続きや商慣習に付き合うのも良いですが、思考停止で付き合うのではなく、常に日ごろの業務からブルシットジョブを排除しようという意思と工夫が求められます。
ブルシットジョブの積み重ねはじわじわとでも確実にじぶんの競争力を落とすバイアスとなっていきますから。
意味のない修正対応ループ(デザインなどクライアントの主観次第の案件)
これもかつて自分が苦しめられたパターンです。
いったいどうやったらOKになるんだ・・・。
ひたすら修正を繰り返すだけで数か月経過・・・完全なる大赤字。
クライアントの主観次第の納品要件の設定、これは非常に危険です。
受託契約書にはデザインの修正に関する要件・条件を、くどいくらいしつこく明文化しておく方が良いでしょう。
中間業者を通すだけのディレクション案件
中間業者が中抜きだけする構造の案件・・これもよくあります。
それだけだったらまだしも下請けからさらに下請けに流す、地獄のような状況も見受けられます。
当然、連絡のやりとりが煩雑になり、齟齬や誤解、タイムラグも発生します。
Web業界には、クライアントから仕事を獲れるだけ獲って、全て下請けに丸投げするというビジネスモデルの会社もたくさんありますが、このビジネスモデル自体がブルシットジョブを量産していると言えるでしょう。
末端のフリーランスも下請けや孫請けで仕事を請ける時点で地獄の一丁目という覚悟はしておいた方がいいでしょう。
自分だったらいらないサービス・モノを販売している
じぶんがまだサラリーマン時代、小さなWeb制作会社で営業の仕事も行っていました。
その時に、お客さん先に行って自社のWebサービスのセールスを行ったわけですが・・・その時の時間はまさに地獄でした。
自分自身がそのWebサービスに何の価値も感じていなかったからです。
これ以上のブルシットジョブはありません。
サラリーマンではありがちな光景ではありますが、フリーランスでも同じ過ちを犯してしまう人もいるでしょう。
自分が価値を感じていない商品やサービスは絶対に第三者に販売すべきではありません。
じぶんの心がすごいスピードで疲弊していきます。
人間は長い時間ブルシットジョブを続けらえるほど強くはありません。
他で応用不可能なスキル案件
いわゆる会社組織のサラリーマンが従事させられがちなブルシットジョブの典型例になります。
たとえば下記のような例があります。
・“仕事してる感”の演出に消費される労力。
・本来の目的(意思決定支援)はそっちのけで、“上司のご機嫌グラフ”を最適化する作業。
・トップの思いつきで始まった非現実的なプロジェクトを、“いかに中止させず、本人に気分よく話させるか”に命をかける人たち。
・成果より「社長がご満悦かどうか」で評価される。
・「誰かの承認」がないと動けない仕組みの中で、承認するだけが仕事の人。
・実質的な判断はAIや現場がしているのに、ハンコを押すために存在している。
・実質の目的はプロジェクトの成功ではなく、「失敗時に自分の責任を最小化する」こと。
・実務能力ではなく、“どれだけ気持ちよく飲ませられるか”が評価軸。
などなどです。
フリーランスと言っても完全に無縁ではいられません。
ブルシット・ジョブを避けるだけで良い理由
正直、生産的な仕事をいかに頑張るかよりも、ブルシットジョブを減らせばそれだけで、仕事もプライベートも充実するのはもはや間違いありません。
仕事でもプライベートでも無駄を省ける意識が芽生えるので徹底的に出費が減る(その分働かなくて良くなる)
ブルシットジョブをじぶんはやらない・避ける努力をすると心に刻み行動するだけで、日々の無駄が減っていきます。
当然、無駄な出費も抑えられますし、無駄な時間も抑えられます、体力も温存できます。
無駄を省け、その分自己投資に充てられるので競争力が高まる
無駄を省ければ当然、時間もお金も体力も余るわけですから、それを生産的で有意義な自己投資などに回すことが出来ます。
無駄を減らすだけで充分、有意義なのに、無駄削減で確保した時間・お金・体力を投資に回すのですから、ブルシットジョブに従事し続ける人との差は凄まじいスピードで広がっていきます。
ブルシット・ジョブはストレスの源泉なのでブルシット・ジョブを避ければストレスが激減する
たとえお金をもらえるとしても、自分の仕事が世の中にとって何の価値ももたらさないブルシット・ジョブだと認識してしまったときのストレスはえぐいです。
逆に世の中に凄い価値を及ぼすことができ、多くの人に感謝される仕事というのはお金度外視でやりたくなるものです。
じぶんも今はお金面で割りが良いかどうかよりも、ブルシット・ジョブの「逆」、要は価値があって感謝されるかどうかで仕事をひき受けるかどうかを判断しています。
世の中や人生には多くの無駄があり、それを避けるだけで頑張らなくても楽しく生きていけると悟れる
今の世の中はモノが溢れています。
選り好みさえしなければ大してお金をかけずに生活することができます。
同じく選り好みさえしなければ、仕事もいくらでもあり、ブルシットジョブがない仕事にもたどり着くことはできるでしょう。
しかし現実では生活に余裕がある人は少なく、ブルシットジョブに巻き込まれない人も少数です。
何故か・・?
他者の評価軸で生きているからです。
成功や社会的ステータスを追い求めてしまうのが人間です。
しかし成功や社会的ステータスを追い求めることで、無駄な出費や無駄な仕事に翻弄されることになります。
無駄を省くだけで、人生はイージーモードになるというのに。
ブルシット・ジョブの避け方・断り方・寄せ付けない工夫
最後にブルシット・ジョブの避け方・断り方・寄せ付けない工夫について簡単にまとめていきます。
まずシンプルに不要な交際は断る(仕事に飲み会やゴルフや慰安旅行など付き合いは不要)
仕事に飲み会やゴルフや慰安旅行などの付き合いは不要です。
断れないというなら、それはすでにブルシット・ジョブが蔓延する環境という事を物語っており、今の環境(仕事)を変えた方がよいということになります。
最初にお金の余裕を確保する
直近の生活費すらカツカツでお金の余裕がない状況であれば、ブルシットジョブであってもひき受けざるを得ない状況になりかねません。
お金に余裕があれば、堂々とブルシット・ジョブを断り、それで仕事が無くなるようであれば、別の有意義な仕事を見つける行動を起こせるわけです。
余裕が出来ればさらなる余裕を蓄えられる。
逆に余裕が無ければさらなる貧困に陥りやすい。
世の中の真理です。
世の中の大半の仕事が本質的に無駄な仕事と理解する
世の中には様々な会社、仕事が存在していますが、そのうちの多くがブルシット・ジョブに該当しています。
特に日本では世界の中でも生産性が低いとされ、その原因はブルシット・ジョブをやめられないからです。
まずは今現在のじぶんがブルシット・ジョブにまきこまれていないか分析をしてみましょう。
今までの出費の大半が無駄で代替可能であったと理解する
仕事以外にも普段の購買行動、買い物に無駄がなかったか思い返してみてください。
過去にした買い物で半分以上が実は買わなくても良かったという気がしてきませんか?
部屋の中に今では使っていないモノや洋服が溢れていませんか?
そしてそれらのモノを買わなかったとしたら、今頃いくら貯金が増えていますか?
そしてその金額分を稼ぐのにどのくらい働かなくてはいけないかわかりますか?
不要な出費、不要な仕事というものを避けることがどれだけ人生を好転させるかわかってくると思います。
人に媚びずに仕事が得られる商品やサービスを開発する
ブルシットジョブをしなくても、人に媚びへつらわなくても、良いサービス・良い商品を持てばいかようにもお金を稼ぐことはできます。
ブルシットジョブでお金を稼ぐのではなく、自己投資・商品開発費への投資・設備投資などにお金と時間、労力を投下するようにしましょう。
無駄なことさえしなければ人生余裕
何をやるかよりも、何をやらないかがわかるだけで人生イージーモードです。
何をやらないか、それはブルシットジョブをやらないということです。
フリーランスになるという選択ができただけで、ブルシットジョブは大きく減りますが、フリーランスになった後でもブルシットジョブをしないと日ごろから肝に銘じないといつの間にかブルシットジョブに巻き込まれてフリーランスとしての競争力が失われていきます。