1
/
5

誰かの役に立てる幸せ

いつも錢屋本舗本館をご利用くださっている近隣の方の提案で「街角バザー」が開催されました(詳細は本号の『本物に触れる』のページをご覧ください)。初めての試みでしたので、物品が集まらなかったらどうしよう、逆に集まり過ぎたらどうしよう、集客ができずに売り上げが伸びなかったらどうしよう、と様々な不安を抱えながら準備を進めましたが、結果は上々で発起人も弊社のスタッフも胸を撫でおろしました。物品を提供くださった方々、お手伝いして下さった方々、買い物に足を運んでくださった方々の本物の思いやりに触れた気がします。それを疑ったわけではないのですが、個人的には信じきれなかった気がして反省しました。誰かの役に立つことは幸せなことだと誰もが思っているのだと、改めて信じる気持ちになりました。

想いが行動に 行動は喜びに

コロナ禍で活動の制限を余儀なくされましたが、この4月は振興町会や地域活動協議会といった地域のボランティア組織の2年ぶりの改編の時期でした。かねてから誰もが世代交代の必要を感じながらも進まず、二歳分の年を重ねた間に患われた方もいらっしゃって危機感を持ちました。地域活動について同様のことは日本中で起きているのではないかと想像します。

町会などは不要論も必ずあります。「何かメリットはあるのか?」というご意見も。「メリットはありませんが得るものはあると思います」と私見を述べながらも、そんな意見が出る町は良い町なのだと思います。それは困っていない証拠だからです。時々ニュースで報道されるようなゴミ屋敷もなく、非常識に騒ぐ人や町を汚す人、ゴミ出しのルールを守らない人がおらず、公園は綺麗で安心して子供たちを遊ばせることができているということです。

良い機会なので町会の成り立ちについて調べました。元々は終戦直後に日本赤十字社が奉仕団の結成を呼びかけ、それに呼応して昭和24年に大阪赤十字奉仕団が結成され、戦後の復興や災害救助に貢献してきたようです。その赤十字奉仕団が振興町会の母体です。戦争もなく平和で災害にも見舞われなければ役目はないと言ってしまえばそれまでですが、町にちょっとした困りごともないとは言えず、個々人の親切心だけでは解決できないような問題のためには、やはり町会をはじめとする地域のボランティア組織は必要ということになります。石ヶ辻公園がいつも綺麗なのはボランティアの方々のおかげです。そこに思い至る想像力と、それに感謝する感性は大切だと思います。

純粋な気持ちが行動になり、それが誰かの助けになって、自分も幸せを感じる。一人でできない事をやるために組織があるわけですが、一人一人の気持ちと行動が、正しい方向性をもって大きな力とり、救われるべき人のところに届くことが大切だとです。感謝されたくてなさっているのではないので見えにくいですが、想像して感謝の気持ちを持つことも大切と思います。それで皆が幸せなのです。

月刊ZENIYA&LIFE 5月号より)

株式会社錢屋本舗's job postings

Weekly ranking

Show other rankings