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こんにちは、HashPort採用担当です。
前回ご紹介した、HashPort大阪支社の第1弾記事「【大阪・関西万博100日前】大阪から生まれるWeb3のマスアダプション~HashPort大阪支社の挑戦~」には、おかげさまで多くの反響をいただき、Wantedlyの【Story急上昇ランキング1位】にランクインしました。
※追記:本記事もWantedlyの【Story急上昇ランキング1位】にランクインしました!!
あれから約1年、同支社はさらにスピード感を増し、万博をきっかけに国内外の企業・自治体との連携も一気に広がっています。
今回はその続編となる第2弾。
「実証」から「実装」フェーズへと進んだ今、大阪を舞台にどのようなWeb3の取り組みが生まれているのか、最新の事例とともにお届けします。
未来をつくる最前線を、ぜひ覗いてみてください!
目次
【はじめに】1年で大きくケイパビリティが成長した大阪支社
【1】EXPO2025デジタルウォレットを活用したWeb3の社会実装
①GPS機能:地域体験を「デジタル資産」に変える
②EXPOトークン:トークン決済体験の創出
③マイSBT AI(My SBT AI):生成AI ×ブロックチェーンによる個別最適化
【2】Web3のグローバルユースケースを「大阪」から
【3】これからのHashPort大阪支社に求められる人材像
【さいごに】ローカル×グローバルが交わる「大阪」から、Web3のマスアダプションへ
【はじめに】1年で大きくケイパビリティが成長した大阪支社
2024年4月に設立されたHashPortの大阪支社は、大阪・関西万博(以下、「万博」)という国家プロジェクトを契機に、国内外の企業や自治体との連携を一気に加速し、Web3の社会実装における「ハブ」としての存在感を高めてきました。
また、大阪府市や財界3団体(「関西経済連合会」、「大阪商工会議所」、「関西経済同友会」)と連携しながら、関西地域でのアライアンスにも力を入れております。
●第1弾記事:<https://www.wantedly.com/companies/company_2908299/post_articles/944407>
万博で象徴的な存在となったのが、HashPortが開発・運営を手掛ける「EXPO2025デジタルウォレット(以下、「EXPOウォレット」)です。
開幕からわずか1ヶ月で30万人を超えるユーザーがウォレットを通じてSBT(譲渡不可のNFT)を取得し、累計発行枚数は約80万枚に達しました。これは、1人あたり平均2.6枚を取得している計算となり、非常に高い活用率を示しています。
さらに、ミニアプリや「Connect Hub」機能を活用したユーザーにおいては、SBTの取得枚数が平均6.3枚と、通常の2.4倍にも上りました。こうした成果は、ユーザー体験設計やUI/UXへの徹底したこだわりの賜物だと考えています。
また、大阪支社は国内の有力パートナーに加え、Aptos Labs社との連携をはじめとするグローバルな取り組みにも注力しています。
先日、日本で初開催されたスタートアップ支援プログラム「Aptos Horizon」では、大阪の地に世界中の起業家や投資家が集い、HashPortもその推進役を担いました。
「未来社会の実験場」としての万博を経て、大阪支社は「実証」フェーズから「実装」フェーズへと大きく舵を切っています。ここ「大阪」を起点に、グローバルに通用するWeb3ユースケースが次々と生まれ、広がりを見せ始めています。
【1】EXPO2025デジタルウォレットを活用したWeb3の社会実装
①GPS機能:地域体験を「デジタル資産」に変える
観光産業に注力する日本の潮流の中で、HashPort大阪支社は地域活性化を目的としたブロックチェーンの活用にも取り組んでいます。その一例が、「EXPO2025デジタルウォレット(Webブラウザ版)」に搭載されたGPS機能です。
この機能では、ユーザーが実際に特定スポットを訪れることで、NFTなどのデジタルコンテンツを獲得可能となります。これにより、地域の文化や歴史に根ざした体験価値を創出し、NFTを獲得するために複数のスポットを巡る動機が生まれることで、観光地への回遊を促進しています。
また「人の移動と体験の履歴を資産化する」仕組みとしても設計されており、旅の記憶をブロックチェーンに保存することで、観光満足度や再訪意欲の向上にも寄与しています。
【画像】位置情報の取得を許諾すると、該当のSBTを取得可能
この技術は、日本政府観光局(JNTO)が展開する「Japonism Moment」にも提供され、訪日外国人向けの体験価値の向上にも活用されています。
②EXPOトークン:トークン決済体験の創出
2025年4月16日よりリリースされた「EXPOトークン」は、大阪・関西万博で実際に決済手段として利用できる、ブロックチェーン上で発行されたポイントトークンです。
1EXPOトークン=1円相当として利用可能で、「EXPO2025デジタルウォレット」上に発行されたSBTデジタルパスポート保持者間でのみ移転可能とすることで、安全かつ信頼性の高い取引を実現しています。
また、EXPOトークンは万博公式電子マネー「ミャクぺ!」へチャージ可能で、「Visaタッチ決済」や「iD(※)」に対応する店舗でも利用可能です。将来的にはステーブルコインとの交換も検討されており、海外ユーザー向けの利便性向上にも取り組んでいます。
また、大阪支社は以下のような企画を通じ、トークン決済・流通といった初体験の機会も創出しています。
- KANSAI MaaSと連携し「毎日100名当選!最大5,000円分が当たる!万博シャトルバスキャンペーン」を実施
- その他、SBTの活用と組み合わせた限定体験型プロモーションも展開中
※「iD」は株式会社NTTドコモの商標です。
③マイSBT AI(My SBT AI):生成AI ×ブロックチェーンによる個別最適化
HashPortは、昨今市場が急拡大する生成AIとブロックチェーンの融合を目指す新機能「マイSBT AI(My SBT AI)」を開発し、BtoC領域での新たな挑戦を行っています。
本機能は、大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオン内「リボーンチャレンジ」におけるMUIC Kansaiが主催の展示期間である2025年7月22日〜28日にかけて提供され、来場者はEXPOウォレット内のAIチャットと対話することでSBTが生成され、おすすめのイベント情報を表示します。
オンチェーン(SBT/FT保有情報)とオフチェーン(会話履歴)双方のデータを活用し、個人に最適化された体験を提供します。
アクセスの起点となるのは、会場でのみ配布されるQRコードとなります。チャットでの会話内容を踏まえて趣味嗜好に合ったSBTがウォレット上に発行され、最終的におすすめのパビリオン情報が提示される仕組みです。大阪支社ではこういったショーケースの企画・運営も行っています。
【写真】ヘルスケアパビリオンの展示ブースで説明を行う宮田(上)と本機能に関するプロジェクトリーダーの館谷(下)
実際に体験者からは
「まるで“自分専用の万博ガイド”を持っているみたいで感動しました(20代・大学生)」
「AIと対話した上で、あなたにはこのパビリオンがおすすめです”って言われると、自然と行きたくなりますね(40代・会社員)」
などの声をいただき、AIエージェントを使う体験や万博会場の回遊性向上に繋がり、それらの結果がブロックチェーン上に刻まれるという「新たなWeb3体験」を創出することができました。
【2】Web3のグローバルユースケースを「大阪」から
大阪支社は、2025年に開催されたWeb3スタートアップ向けアクセラレータ「Aptos Horizon」を共催パートナーとして支援しました。日本初開催の本プログラムにおいて、「大阪」が開催地に選ばれたことは大変象徴的なことです。
●Aptos Horizonとは:<https://www.aptoshorizon.com/>
大阪支社は「日本からグローバルにユースケースを創出する」という想いのもと、Aptos Labs社、AngelHack社、NTT西日本社、大阪イノベーションハブなど多様なパートナーと連携。国内外の起業家と大阪のスタートアップエコシステムが交差し、地域を越えたコラボレーションが実現しました。
スピーカーセッションでは、同支社の野村が「The Industrial Structure of the Web3 Business and Current situation of the Japan market(Web3事業の産業構造及び日本市場の現況)」について講演。参加者との活発な議論では、日本市場における規制環境やWeb3コミュニティの重要性が中心的なテーマとなりました。
【写真】海外からの参加者向けに講演を行う野村
クライマックスとなるデモデイはNTT西日本社のオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(HashPortの大阪支社の拠点でもあります)」で開催され、オンラインとオフラインのハイブリッド形式で実施。100名以上の投資家・企業関係者・自治体職員が参加し、次世代のサービスが披露されました。大阪という都市が、Web3・FinTech領域のグローバルな実験場であることが改めて示されました。
【3】これからのHashPort大阪支社に求められる人材像
大阪・関西万博で70以上の企業・自治体と連携してきたHashPortですが、今後は万博会期後の「実装」フェーズに移行する中で、より具体的な事業推進力が求められます。
大阪支社では特に以下のような人材を求めています。
- クライアントの事業課題や構想を言語化し、プロジェクトを主体的にマネジメントできる方(法人営業、SaaS領域でのソリューション営業、事業開発、経営コンサル経験者)
- ウォレットや基盤技術を活用し、ソリューションを設計・実装できる方(システム開発やITコンサル経験者)
- エンドユーザー体験にこだわり、UI/UX設計やサービス企画ができる方(ToCアプリ・キャンペーン企画経験者)
- グローバルパートナーとの連携を通じて、インパクトあるプロジェクトを企画・実施できる方(イベント企画・運営経験者)
- 金融・フィンテック領域に知見を持ち、Web3の可能性に共鳴できる方(金融業界やフィンテック系プロダクトの企画・開発等経験者)
また、HashPortでは生成AIを活用した業務効率化にも積極的に取り組んでおり、少人数なチームでも成果を最大化するマインドセットを持つ方を歓迎しています。
最近では、ToB向けの営業に豊富な経験を持つメンバーやインターン生が新たに加わり、「人」の側面からも大阪支社の成長が進んでいます。
【さいごに】ローカル×グローバルが交わる「大阪」から、Web3のマスアダプションへ
設立からわずか1年で、国内外の企業・自治体・グローバルプレイヤーとの共創を実現したHashPort大阪支社。万博を舞台に、デジタルウォレット、トークン決済、GPS機能、SBT、さらには生成AIまで、多彩な取り組みを次々と社会実装してきました。
こうした実験と挑戦を支えるのは、新しい価値創出を応援する「大阪」の地の力です。行政や企業、グローバルパートナーと共に、地域を超えた共創の場を生み出すことで、Web3の未来がたしかに形成されつつあります。
これら一連の取り組みは、「社会に価値を届ける実装」そのものであり、HashPort大阪支社が掲げる「実証から実装へ」というテーマを体現しています。ローカルとグローバルが交わるこの場所から、次のイノベーションを一緒に創っていきましょう!
【写真】最大の木造建築物としてギネス世界記録に登録された「大屋根リング」の下で撮影