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《CEO Interview 後編》学びが止まらない世界を目指して— ゲシピが描く未来と存在意義

前回の記事では、シリーズBの調達活動に至るまでの背景や、その裏側にあった迷いや葛藤についてリアルにお話ししていただきました。後編となる今回は、サービスや組織の変化、真鍋さんの考える「ゲシピの存在意義」についてお話しいただいています。ぜひ、最後までご覧ください!

《CEO Interview 前編》新たな挑戦の幕開け―シリーズB資金調達にかけた決意と葛藤 | ゲシピ株式会社
先日、ゲシピは資金調達のシリーズB 1stラウンドをクローズしたことを発表しました。プレスリリースはこちら▼今回の記事では、シリーズBの調達活動に至るまでの背景や、決断の裏側にあった葛藤、そして...
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前進を続けた日々。サービスと組織の新たな局面

_____ここまで真鍋さんのリアルな心情などについてお話いただきましたが、シリーズB前後でのサービスや組織の変化についてもお伺いしたいです。

決断に至るまでには葛藤も多かったですが、シリーズB前後ではポジティブな変化も多かったと感じています。

サービス面では、長らく課題となっていたチャーンレート(解約率)を大幅に改善できたことは大きな成果でした。また、生徒数を純増させながら、商品開発も着実に進めることができています。

例えば、新たなゲームタイトルのレッスンをリリースしたり、「人と話すのは緊張してしまう」という方でもカジュアルにレッスンを受けてもらえるよう「バーチャルコーチ」を活用したレッスンを展開したのも、シリーズB前後のタイミングです。こうした取り組みが、売り上げの幅を広げることにもつながりました。

さらに、英検レッスンや夏期講習、復習レッスンなど、より多角的に英語力をあげられる講座を提供することで、ARPU(1ユーザーあたりの収益)を向上させる施策も並行して進めてきました。

メンバーのおかげもあり、これまで整理できなかった事業課題が進展したことで、eスポーツ英会話事業は力強く伸びていると感じますし、実際に150%以上の年間成長を遂げることができています。

_____人や組織面での変化はいかがでしょう。

まず、コーチという軸でお話しをすると、僕らは2023年から「プロeスポーツ英会話コーチ(以下、プロコーチ)」という新しい職業を作って、その職業の人を増やそうと意思決定をしました。約2年を経て、2024年にはようやくその花が開いたと実感しています。

1年目はプロコーチの採用方法や育成について手探り状態でしたし、初期にプロコーチになった方の中には早々にご退職された方もいらっしゃり、定着面でも試行錯誤が続きました。その後の1年間を通して、プロコーチの働き方や生活を守りながら、事業成長や生徒の満足度も両立させる形で、プロコーチ組織をどう作り上げるか向き合い続けた結果、現在ではコーチ全体で数百名規模に成長しました。

正社員については、去年の今ごろは16名と人数も少なく、シリーズAの時期は「みんなでやらないとどうしようもない」という状況でしたが、2024年には役割分担も進み、人数も27人まで増えました。マーケティングや経理、 事業企画、商品開発など、それぞれのミッションを担うメンバーが増え、少しずつ会社らしくなり始めたという印象です。

1年前は一人ひとりが集中したいことに取り組む時間を持つことが難しかったですが、今は「こういうことをやりたいです!」と手を挙げることで、ミッション外のチャレンジもしやすい環境ですし、逆に「自分の経験から、これで貢献したい」と明確に決まってる人は、その貢献に集中できると思います。ある意味、今は1番「カオスすぎず、整いすぎず」というバランスが取れている状態なんじゃないでしょうか。

これが1年後、2年後となると、それぞれの役割がより明確になるので、役割を超えて新しいことに挑戦することが難しくなってしまう可能性もあるかと思います。とはいえ、今は自ら手をあげて挑戦できる環境ですし、それを具現化した一例が、Masaさんだと思っていて。彼は2024年の1月にMaxさんとともに初めて社内でマネージャーに昇格しました。それは成長しながら自分で掴みとった成果ですし、なんとその11ヶ月後には、さらなるスピード成長を遂げて部長になっているんですよね。

自分で手を挙げ、チャンスを掴んで成果を出し、上に登っていく。そしてまた新しいチャンスを掴んでいく。そんな風に成長できる舞台が、今まさに整った状況だと思います。

学びを止めない。選べる未来を創るために挑戦を続ける

______さまざまな変化や葛藤を感じながらも、新たなステージに向かって常に前へ進んでいらっしゃるかと思いますが、真鍋さんが感じているゲシピの可能性や存在意義とは一体どんなところにあるのでしょう?

すごくミクロな目的と、マクロな目的があると思ってます。

ミクロの目的としては、ゲシピが掲げているミッションにもあるように、生徒一人ひとりがさまざまな選択肢を持てる機会を提供したいということです。

よく投資家の方や親御さんにもお話しするのですが、僕たちは「eスポーツ英会話を通じて英語が話せるようになった後も英語を使い続けて欲しい」という思いはもっていません。留学したり外資企業に入ったり、海外で生活するといったことだけを称賛してるわけでは決してなく、「そういった選択肢があるけど、選ばない」ということも、僕はありだと思っています。

「自分は英語が得意で話せるけれども、将来地方で日本人を対象にお店を開きたい」という選択も素晴らしいものじゃないですか。

「できないからこれをやるしかない」のではなく、「できるけれども選ばない」という選択が、自分の人生における納得感を与える大事な部分だと考えています。だからこそ、そうした選択肢を持つ人を一人でも多く増やせたらいいなと思ってます。

______なるほど。選択肢を持つということが大切なんですね。マクロな目的についてはいかがでしょう?

ミクロの目的の延長線上にマクロな目的があります。もし選択肢を持つ人を増やす、ということを日本だけでなく世界中で実現できたなら、それは人類の進化に何かしら寄与できていると思うんですよね。「できないからやらない」という人が80億人いるのと、「できるけどやらない」という人が80億人いるのとでは、後者の方が生まれてるものがきっと多いはずなんです。なので僕は「人類の進化に寄与できている」ということを事業を進めるうえですごく大切にしています。

また「学びが止まらない世界」を目指すこともマクロの目的の一つです。eスポーツ英会話はコロナ禍で生まれたサービスですが、大規模な戦争やパンデミックで学校に行くことができなくなってしまったり、家の中に閉じこもらないといけないという状況で学びが止まってしまうことは、これもまたなんらか人類の進化に負の影響を与えてしまうことだと思うんです。だからこそ、eスポーツ英会話のようなメタバース教育を世の中の当たり前にすることで、どんな時でも学びが止まらない世界を創りあげて行きたいと考えています。

ミクロとマクロ、このそれぞれの目的が僕らがゲシピという会社に集まっている1番の存在意義かなと思っています。

_____学びが止まってしまうことの影響について、もう少し深ぼってお話しを伺いたいのですが、真鍋さんはどのような点をクリティカルに感じているのでしょう?

個人的には、学びには2種類あると思っています。1つは「勉強的な学び」、もう一つは「人としての学び」です。

「勉強的な学び」は、新しい発見につながる重要なものだと思います。これまでの発見は、人類が積み重ねてきた「知」の土台があったからこそだと感じています。例えば、かつての人々は天動説を信じて学んでいましたが、現代の私たちは地動説を学んでいます。時代ごとに「それが常識」「それが正しい」とされていることがあり、まずは基礎としてそうした知識を学ばないと、その先にあるはずの新しい発見が得られないと思うんです。

一方で、「人としての学び」は実際の経験を通じて身につけていくものだと思います。世の中では、知識として「これが正しい」とされていることも、知っているだけでは身に付かないこともありますよね。

子育てなんかもまさにそうですよね。僕も、最初は赤ちゃんが泣いていたらそれだけでも不安で心配で、「なんで泣いてるんだろう、なんとかしなきゃ。」と思っていたんですけど、だんだん慣れてくると「今はただお腹が空いているだけだから泣かせておいても大丈夫。」と判断ができるようになっていきます。本に書いてあったとしても、実際に経験をしないとその感覚はわからないんですよね。

僕はどちらの学びも、継続的に積み重ねることで価値が生まれやすいと考えています。学び続けるからこそ価値があるといった感じですかね。一時的な学びが無意味というわけではありませんが、学び続けて、悩んで、もがき続けることに価値があるのかなと思っています。

_____だからこそ戦争やパンデミックなどで学びが止まってしまうことの影響が大きいと考えているのですね。

そうですね。一見、コロナで1年間学びがなかっただけのように見えても、継続していたものが止まると、その影響はそれ以上に深刻なものがあると思います。一度途切れてしまうことで、再開するのが難しくなってしまったり、積み重ねていた成長が止まってしまう。そういった事態は何とかして避けるべきだと感じます。だからこそ、僕らは学びを止めないための仕組みとして存在し続けたいと思っています。

ゲシピの事業ドメインを、eスポーツ英会話だけなく「メタバース教育企業」としているのには、英語に限らず、非認知能力や、テクノロジー学習、その先には音楽や美術といったアート分野など、様々な学びを提供できるプラットフォームを目指しているからという理由があります。

今僕たちが取り組んでいることは、その大きなビジョンの中のほんの一部に過ぎません。現時点では、言語教育の中でも「英語教育」にフォーカスしている段階です。この1つだけで、先ほどお話ししたようなことを全て成し遂げられるわけではありませんし、イメージするメタバース教育の全体像から言うと、まだ1%にも満たないと感じています。

もちろん今は英語教育を最優先に進めていますが、これはあくまで「今は」という位置付けで、この先にはさらに多くの挑戦が待っていると思います。だからこそメンバーには「英語教育」という領域に留まらず、広い視点で未来を見て欲しいと思っています。

それは算数や理科でもいいかもしれない、音楽でもいいかもしれない。事業性や優先順位は考えなければなりませんが、どの分野であっても、可能性ややるべきことは地球規模で広がっています。その道を、仲間と一緒に作っていきたいですし、今後そういったものを世界中に届けたいと思っている仲間にジョインして欲しいです。ぜひ一緒に地球の学びを進化させていきましょう!


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