ナッジ株式会社、採用担当の小笠原です。当社は2020年に設立した、まだまだ若いFintech企業。
ですが、代表の沖田はFintechの旗手でもあり、金融における豊富な経験をベースに、チャレンジャーバンクを目指してナッジを創業。
今回は、そんな沖田がナッジに懸ける想いについて聞いてみました。
ーーまずは、ナッジ創業までの経験などについて、あらためてお話しいただけますか?
私自身は、一橋大学在学中にサイバーキャッシュ(後のベリトランス 、現DGフィナンシャルテクノロジー)の立ち上げに参加し、同社は2004年に上場しています。2012年には、デジタルガレージ傘下としてecontext ASIAを共同創業し、香港証券取引所に上場、アジアにおける決済・ECインフラサービスを進めてきました。Fintech協会の代表理事会長も務めています。
ーーその経験が、ナッジ創業につながっているんですか?
そうなんです。金融業界に身を置いてきて、課題に感じたのが従来のクレジットカードの仕組みなんです。
従来のクレジットカードは、勤務先や勤続年数などを重視した審査基準を設け、また性別などの審査に不要な情報も申込時に入力を求めてきました。そうした仕組みの中では、非正規雇用やフリーランス、若い世代で「きちんと支払い能力があるのに、従来のクレジットカードの仕組みでは審査に通りにくい。申し込み手順が申し込みを中断する」という人が多くいたんです。
金融サービスの多くは、既に「金融サービスを活用している人」が立ち上げたものなので、従来の仕組みで困っている人たちの課題解決につながっていなかった、と感じたんです。
ーーなるほど。それで、従来とは異なる仕組みのクレジットカードサービスを作ろうと。
Fintech企業の多くは、私も含めて「もっとこういう機能があった方がいいよね」といった足し算の発想でサービスや機能開発をしてきたんです。これは、反省すべきだと思いました。
従来のクレジットカードの仕組みに対して「怖い」や「不安」といったイメージを抱く若い世代の方は想像以上に多くいました。だからこそ、シンプルな機能で若い世代をメインターゲットにしたクレジットカードを提供するべきだと思ったんです。
ーーFintechのスタートアップは、プリペイドカードなどに参入することが多いようですが、なぜナッジはあえて「クレジットカード」なんですか?
プリペイドカードは、発行にあたり与信調査や本人確認が不要で、財務負担も軽いので、スタートアップも気軽に参入ができます。
ですが、プリペイドは最初にチャージをしないといけない。UXの観点では、それがボトルネックです。加えて、使えない場所が結構あります。そのため、「プリペイドカードを使って嫌な体験をすることによって、さらにカード離れを招くのではないか?」と感じていました。そのため、難易度は高くてもクレジットカードの提供に踏み切ったんです。
ーーとはいえ、プリペイドカードやスマホ決済が主流になっているように思うのですが?
たしかにキャッシュレス決済といえば、QRコードが有名ですが、実は決済額の9割は依然としてクレジットカードなんです。国内外でスタンダードはクレジットカードで、今後もさらに大きな伸びが期待できます。
クレジットカードの利用者の属性を見ると、年齢層が高いほどキャッシュレス比率が高くて、若年層はクレジットカードの利用率は意外と低いんです。利用率は20代が最低で、クレジットカードも1〜2枚しか保有していないんです。
その理由として、まずは若年層はそもそもクレジットカードを作れない方も多いこと。また、クレジットカードは申し込み時に非常に多くの個人情報を入力する必要があり、プロセスが大変。さらには、「なんとなく」怖い、ということ。
そこで、Nudgeカードは20〜30代の若年層をターゲットとし、新たな法改正も活用して、これらの課題のクリアを狙いました。
ーー「課題のクリア」とは具体的にはどういうことですか?
まず法改正について、詳しいことは長くなるので省きますが、上限10万円までの提供事業者に対しては、登録要件などの規制が緩和されました。
ナッジはこの登録を行い、申込みプロセスを大幅に簡素化したんです。新制度では、ビッグデータやAIなどを活用した与信審査が認められており、それを活用しました。
また、Nudgeはクレジットカードでありながら、銀行口座振替による支払いではなくコンビニATMを使った現金での返済方法に限定(※)しました。これは、「口座振替自体が怖い」というユーザーの声を反映したものです。
※2022年からは、銀行振込での返済にも対応。
ーー今後のナッジの展開についてうかがえますか?
ナッジは昨年、10億円を超える資金調達を行ないました。出資元には、国内外のVCに加え、カード会社や銀行などもあり、これらの企業とのオープンイノベーションを活用し、スタートアップ単体では難しい機能やサービスを実現しました。
大型調達の一方で、2年後の黒字化を目指しています。
Nudgeカードは、決済だけでブレイクイーブンにもっていけるんです。ですから、
「ユーザーが本当に必要なものだけを提供しよう」
と考えています。
今後は、Nudgeカードの提携先である「クラブ」が特典として提供するデジタルコンテンツのNFT化や、チャレンジャーバンクとしての横展開を進めていきます。
ーーありがとうございました!
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
インタビュー内容はいかがでしたか?
これまでの型を破り、スマートフォンを活用した次世代型クレジットカードNudgeと、Fintechスタートアップとしてのナッジの事業展開。
次回は、Nedge(ナッジ)カードのサービス内容についてご案内します!
ぜひナッジのメンバーに加わって、一緒に「未来の金融体験」を創ってみませんか?