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デザイン事務所BLMU 松井健太郎さんによるロゴとサインデザイン

こんにちは。

OF HOTELスタッフの佐藤です。

前回に続きホテルに

今回は、OF HOTELにてロゴやサインなどのデザインを手掛けてくださった

松井 健太郎さんにメッセージをいただきました。

OF HOTELとの関わりについて

ロゴやサインなどのデザインを担当しました、株式会社 BLMUの代表取締役 松井健太郎です。

デザインをするときにイメージしていたのは、「発見」や「発掘」。

OF HOTELは単に宿泊するだけではなく、地域との交流を通して東北の文化・営み・空間など、新しい視点を発見する喜びを提供してくれる場です。また、ホテルはリノベーションされたもので、そのビフォア・アフターの対比が空間に反映された特徴的な建物です。
デザインアイテムにはそのようなホテルのコンセプトと空間、両方の面白さを取り入れようと試みました。

ロゴには水平にスリットが入り、カクカクした書体が選ばれています。

ロゴのスリット部分は、もちろん隙間として存在しているのですが、上下に分割された文字の輪郭や繋がりが感じられるような距離感で設計しています。これは、まだ認識されていないけれど、確かにそこに存在している東北や旅の魅力を余白で表現したものです。また、リノベーション後の水平が強調されたホテルの空間とも呼応しています。

書体は曲線部が多角形からなる特徴的なものです。遠目から見ると視認性の良い、整った表情ですが、近づいてみると実は……という面白い工夫がなされています。
日ごろ私たちは例えば「東北」「旅」などと一括りに語ってしまいがちですが、クロースアップしてみると実際にはそこにさまざまな生活や人々がおり、多様です。そのような風景や多くの気づきを字形それ自体に封じ込められないか、と、この書体を選定しました。

サインデザインは大工さんの「墨出し」にヒントを得ています。OF HOTELは意図的に一部躯体が露わになっている箇所があります。まだ工事中であるかのような、不思議で力強い空間です。そのような場には、今までずっとそこに存在していたものが「発掘」されたかのようなデザインが相応しいと考えました。
それが、黒色のペンキやシルクスクリーンで躯体に直接印字される「墨出し」サインです。お客さんを導くという機能は担保しつつも、空間の魅力を最大限引き出すOF HOTELらしいサインデザインとなっています。

どういう想いで関わったのか

このプロジェクトがスタートするとき、これはどんなホテルになるのだろう?という話になりました。ビジネスホテル? シティホテル? etc……結論としては、いやいや、そういうカテゴリには収まらないでしょう、と。われわれで新しい分野を開拓したいよね! という熱い会議だったと記憶しています。

OF HOTELは余白の大きなホテルです。宿泊という機能の外側にたくさんの可能性が散りばめられています。私たちの能動的な利活用によって、ホテルの楽しみ方、解釈の仕方はさまざまです。
デザインにもいろいろな見方ができる工夫を封じ込めました。見る人によって、また、その日のコンディションによって、何かを感じ、新しい発見があれば嬉しいです。

OF HOTELへ期待すること

OF HOTELは完成されたものではなく、旅人や地域との交流によってこれからも成長しつづけるのだと思います。ここを拠点に面白い化学反応が起き、これからの時代の新しいホテル像が創造されることを願ってやみません。



株式会社 BLMU代表取締役 松井健太郎グラフィックデザイン松井健太郎(まつい・けんたろう)仙台市出身。東北大学大学院工学研究科 都市・建築学修了。秋山伸主宰・グラフィックデザイン事務所schtucco所属の後、2009年より仙台のクリエイティブシェアオフィスTRUNKアシスタント・マネジャー。2012年には中小企業とクリエイターを対象とした仙台市支援事業「とうほくあきんどでざいん塾」コーディネーター就任。その後、2016年にデザイン事務所BLMU設立。現在に至る。近作に金蛇水神社外苑SandoTerrace(2020)、青葉山公園センター仙臺緑彩館(2021)ロゴ・サインデザインなど。

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