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[創業者対談]クラウドエース×株式会社みらいワークス様(3/3)

To Doではない、ミッションを実現するために仕事をする 

吉積: うちも一応、嘘をつかないみたいな、正直を仕事にするっていうのを一応ビジョンっていうかフィロソフィーにしていて。ビジョンは、クラウドで世界をよくするみたいな。行動指針はコアマインドっていうので定義してるんだけど。

吉積: 今話きいても、これでやろう!って最初から決めてやってたわけじゃないのが面白いなと思う。

岡本さん: やってるうちの自己体験だからね。それからこれを変えたいってなってるわけだから。結果として後から理由はついてきたかな。

吉積: それは強いよね、自己体験があると。僕も Google Cloud がいいなって思ったのは、出て来た瞬間にインフラエンジニアとしてもこれ最高だ!って思ってやって来たものだから。

岡本さん: 時代がくる前からやってて、後から時代がついて来た!ってパターンだから、一緒なんじゃないかな笑

吉積: そうそうそう!当時岡本さんのビジネスはじめたって聞いた時も、アクセンチュア卒業生のメーリングリストかなんかで見ただけだけど、なんでなんだろう?そこ需要あるんだ!?とか思った。

岡本さん: アクセンチュアの人とか同じビジネスをやっている人もいたしね、片手間でやっている人が多かった印象だけど。で、やってみてわかったのが、プロジェクトに参画してパフォーマンスを発揮する人が、セールスもできるかっていうと、そうじゃない人もいる。現場で活躍するのと案件見つけてくるのは別の話だから。サラリーマンの時はいいんだけど独立した瞬間に苦手なところっていうのは顕在化しちゃうから。そういった意味で、すごく意味があるんだろうなって。

 全員が全員コンサルタントとしてやっていきたいと思っていないし、どっちかっていうと自分の事業があって、働きたい時だけ働いてマネタイズできて、それを自分のビジネスに使いたいみたいな人がいると、働きたい時に働ける環境っていうのはすごく意味があるなって。これもやってるうちに気づいた感じだけど。

吉積: ちょっと前から、顧問名鑑とか、退職した60〜70代の人たちをちょっとの時間使います、みたいなのはあったけど、それとはどういう差別化してるの?

岡本さん: 30〜50代で現場に入り込んで常駐型で実行力を提供するってことだから、アドバイスだけをする仕事とは全然違う。この辺が難しくて、コンサルティング会社は経営課題に対してどういう風にプロジェクトを立ち上げていくかを提案して仕事を受注するけど、それと同じようなことをうちもやっていて。ただ違うのは実際に業務をするのはフリーランスですよってこと。

 営業の難易度とかも正直高いし、業務委託契約でやってるから、それを考えると粗利20パーセントでわざわざこのビジネスをやろうとする人はなかなかいないかなと。だからうちのビジネスモデルみたいなのを大々的にやっている会社がないのは、そういう理由。昔、某大手人材企業が同じモデル立ち上げたけど、結局4年やって、彼らは止めてしまった。人材ビジネスとプロジェクトを回す事は全く違うことだからね。

 でもこのモデルをやっているのにはある程度強みがあって、利益率だけ考えたら、この仕事をやらないんだよね。普通に社員を採用してコンサルティングするほうが利益率は高くなるからね。たまたまプロ人材に活躍の場を作ろうと思った時にこのビジネスモデルになった訳で、利益うんぬんって考え方をしていないから他のプレーヤーとはやる意義とか意味が変わって来ちゃうんだよね。それがうちの強みであり、特徴。

だから株主さんに説明するのが大変だったりしちゃうんだけど笑

吉積: やりたいことベースにやると、そうなってくる傾向はどうしてもあるよね。

岡本さん: ビジョンを追いかけ続けようとなったらね。

吉積: 結局最終的にはクラウドになっていく中で、ITゼネコンじゃないけど、ああいうところに任せている場合じゃないっていうのが僕の根本的な思いで。アクセンチュア時代にああいうとこと付き合って、彼らはいまいちだなって印象があって。そこをなんとかしないと日本が元気にならない。日本のGDPの向上が少なくて、ITで便利になっているのに効率がよくなっていないのは、セキュリティで誰も責任とらないから無駄が多くて。ITの恩恵を受けようと思ってもそれを帳消しにするくらいの変なことが起こっていて、誰も責任をとらないのも大きな問題だけど。

 もう一個は、既存のものをやるほうが、ビジネスモデルとしてはいいからっていうことで新しいことをやらないSIerとか保守費を取ることに執着してたりそういうところに問題の源泉がある気がしていて。そこを止めるのが、世の中を元気にするための1つの方法だと思っていて、僕はそっちの観点から見てる感じ。クラウドの波にのってうまく乗って、僕らなりのかっこいいSIを推し進めていけるんじゃないかというのと、そこにうまく Google のAI系が乗ってくれば、いいバリエーションもついて、みんなハッピーになれるんじゃないかってことで今やってんだけど。

岡本さん: たしかに、日本の人って、変わりたくない、リスク取りたくないって人が多いからね。その辺をなんとかしていきたいと思っていて。プロ人材の働き方を変えますっていった時にフリーランスとかに限らず、企業の中のプロ人材の働きかたも変えたいと思っていて。

 アクセンチュアでは当たり前だったけど、時間給じゃなくて、アウトプットで仕事をするとか、To Doじゃなくて、ミッションを実現するために仕事をするとか。これはうちが考えているプロの働き方。日本の企業っていうのはそれよりも自分のミスとか、ハシゴを外さないようにするとか、出世するためには減点方式だからっていう考え方をしていて。ああいうところをね、どうやって変えていくのかなって。

 うちって、フリーランスのビジネスやってる会社の中では珍しく大企業がお客さんだから、そこにフリーランスの人たちを送り込むと、面白いもんで大企業の人たちも「こんな働きからあるんだ!」「自分たちもできそうじゃん!」っていって、実際にそういった働き方をやり始めたりとか。

吉積: すごいねそれ!

岡本さん: 要は起業してる人とかフリーランスの人って、今までの人生のなかでそういう人と出会ってて、自分の人生の選択肢に入ってる、だからやろうとするわけ。でもずっと学歴社会で生きていて、大企業に新卒で入った人っていうのは、そういう人たちを見たことがない。じゃあ見せちゃえばいい、で結果としてこれだったらやれるなって思わせたら勝ちだなと思って。もちろん全員じゃないけど。でも5パーでも10パーでもいいからそういう風に思ってくれる人がいれば、自分もプロの働き方をしなきゃいけないじゃんって意識は変わっていくはずだし。啓蒙みたいなこともやりながら、世の中どうやって変わっていくんだろうって。当然時間かかるのはわかってるんだけど、変えようと思わないと変わらないから。うちはそのためにひたすら戦うしかない。簡単には変わらないけど。

吉積: 素敵。



上場しない選択もあった?

岡本さん:  自分のやりたいことが社会を変えるとか、日本の仕組みを変えてやろうとかそういう気持ちになったからたまたまこういうことになってるんだけど、人材ビジネスにおいては顔と顔を合わせている目の前の人のために!っていう考え方もあって。昔は自分もその考え方だったんだよね。

 顔が見えなくなるのは絶対嫌だったし、昔はウェブから登録してくれた人は全員顔合わせようよって言って、全員と会っていたかな。どうやっても我々からは仕事を紹介できなさそうな人とも面談してたし。

 でもある時から、自分自身が顔を合わせられる、その人の幸せのためにってなったら限界があるなって。どっかでこれは無理だよねって諦めなきゃならない。それよりは、社会を変える、こっちのほうがやるべきかなと俺は思った。もしその時にface to faceを大切にしてたら、多分IPOはしてない。たまたまその時の価値観が社会インフラにいってたから、理にかなってるなと。どっちがすごいとか、良い悪いじゃなく、なにがやりたいかとかの哲学の差でしかないから。たまたまそうだったって感じかな。



いま改めて一番感謝すること

岡本さん: うちの会社って、登録者もそうだけど紹介がめちゃくちゃ多いんだよね。今はウェブとかでも集まるようになってるけど、クライアントなんて9割以上紹介だから、人と人とのご縁で仕事してる。アクセンチュアの同期からとか、10年来の知り合いとか。そこでぱっと仕事もらうことも多いから、個人的にもいろんな機会をもらって来てるかなと思うと改めて誰かによりも、きっかけをくれた多くの人に対して感謝したいなと思っていて。

 ひとつひとつのタイミングで、自分のことを引き上げようとしてくれてる人たちがいて、そのチャンスに応え続けなくちゃと思っているうちにビジネスが広がって来たなと思っているから。

逆に今はチャンスを提供するというか。頑張らなくちゃいけない環境を誰かに渡して、その中でどんどん上がって行くっていうのをやらなきゃならないのかなと思っていて。

もちろんそれに応えられない人もいるから気をつけなくちゃいけないんだけど。

 志高くとか頑張りたいと思っている人に対しては渡して行くべきだと思うし、そういう人たちを引き上げるっていうのが必要なことかなって考えるようになってきたのは、自分がそういう人たちにお世話になって来たからかな。

吉積: 人材ビジネスっていうとあれだけど、人と人を引き合わせてやっていくって面ではそこはめちゃめちゃ大事ですね。



(左:岡本様  右:吉積)


編集後記

岡本さんのビジネスにかける想いが強く伝わる対談となりました。

上場が企業にとって大きなターニングポイントであることは間違いありません。

そこから大きく変わること、そして上場後も変わらず大切にしなければいけないこと。

ひとりの社員としても、考えさせられるテーマがいくつもありました。

上場前後のお話しは、これから上場を目指す企業で働く方にもぜひ読んでいただきたいと思います。




創業者対談はまだまだ続きます。

次回もお楽しみに!



編集・撮影:杉山(クラウドエース株式会社 事業企画部)

編集:織田(クラウドエース株式会社 事業企画部)

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