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2060年「新京都」の誕生裏話<後編> UE5で初心者がCG制作

代表の姜(かん)です。この記事の前編「2060年「新京都」の誕生裏話<前編> 込めた思い」では、「新京都」がどうやって誕生したのかのストーリーをお伝えしました。今回は、そのCG制作がどのようにAtmophで進んでいったのか、リアルのまま伝えたいと思います。

Atmophは、まだ全員で20名程度の小さな会社でCG制作ができるメンバーは2人いますが、基本的に風景映像としてのCG制作を行うのはミカエル1名しかいません。(募集は出してませんが募集しているようなものなので、CGできるかプロデュースできる方はぜひお問合せください!)彼は他のCG制作でいっぱいなので部分的に手伝ってもらい、今回はCG初心者である僕が主な制作を、外部のプロの協力をもらいつつやってみました。代表が自らやってみるというのは良くないと思うんですが、今後CGは一層積極的に取り組みたいため、自分で基礎的な部分は知っておきたいと思いました。

何からどうすればいいか分からないけど、UE5

僕はCG制作初心者なため、文字通り何をどうすればいいのかわかりませんでした。SF映画は好きなので、ジョージ・ルーカスやPixarの制作ドキュメンタリーなどは見ていますが、そんなスーパーレベルを持ち出すまでもなく、見るのと作るのは全く違いますよね。

そんな中でも、Epic GamesのリアルタイムCG制作ソフト、Unreal Engineのバージョン5 (UE5)で制作したいと決めていました。ちょうど2021年5月、アーリーアクセス版が公開されたあたりでした。

ただのAtmophオリジナルのCG風景を作るだけじゃなく、今後メタバースのような、ライブかつインタラクティブなCGに取り組むためにはリアルタイムCGであるUE5がぴったりでした。リアルタイムエンジンなのに、その新しいライティング技術Lumenはリアリティに溢れ、魅力が満載でした。

まずはベースになるアセット探し

本当はコンセプトアートからランドスケープデザイン、建物や空飛ぶ車のモデリングまで全部ゼロからいつかしたいですが、いまは、今回のプロジェクトは既存の販売アセットなどを活用するしかありませんでした。イメージに合うベースの街環境アセットとして、Distopian City Envoronmentをベースにしつつ、Cyberpunk Environment MegapackKidBash3D、そしていろいろなビルや車、人や緑のアセットを探し歩きました。

Atmoph風景として大事なカメラ構図

Atmophは世界中で撮影した約1,500種類の風景映像と音が魅力ポイントですが、その風景撮影にはガイドラインがあります。水平線の位置、人間の目に近い画角、15分程度の長さ、自然な色味感とダイナミックレンジ、そして一番重要なのが窓からの景色として違和感のない構図です。

ここから街が出来上がるにつれ何度もカメラ位置と構図を調整していき、最終的にはこんな構図になりました。左手前にはストーリーを感じられる主人公がいて、中央には人々や電子看板と車達が飛び交い、右の方には雰囲気の違うタワーエリアや東方の山と海が見えます。水平線もAtmoph的。

2060年にはGravita技術によってみな宙に浮く

前編の記事で世界観を書きましたが、この時代は車も人もロボットもGravitaという未来技術によって宙に浮きます。空飛ぶ車たちは「新京都」で大事な要素の一つで、色違いも含めると20種類くらいの車が飛び交います。空のレーンは上下に4-5レーン構成となっていて、向きやスピードが違います。

SF映画でも、空のレーンをどう扱っているかはいつも注目しています。たいていは現代と同じく水平に反対車線が構成されていますが、中にはたまに上下レーンの映画もあります。僕は込み入る都市が好きなので、狭くてもたくさんの交通が実現できる上下レーンはどうしても叶えたかった一つです。そのため、ベースの街アセットが最初から簡易的な上下レーンを備えていたのは、実はアセット選定の大きな加点でした。

都市には人がいるのが盲点だった

車もですが、特に人は未来の場合、どんなファッションでどんなライフスタイルを送っているのかから考えないといけなくて、そんなアセットも非常に限られていることもあり苦労しました。有名なmixamoから人やアニメーションを使いつつ、いろいろな人アセットも探し、洋服の色も1人ずつ変えたりして、最終的に30人くらいをなんとか登場させました。歌ってる人、立ってる人、踊ってる人や仕事してる人、待ってる人や歩いてる人々。(30人しか見えない都市。。みんな部屋でマインドリモートやGravitaフィットネスしてるんです。)

そう、都市には人がいます。当たり前すぎて忘れていました。いや、知っていたけど、人はあまりいなくていいかと自分に言い聞かせていました。今回実は一番くらい大変だったのが、人です。最初はなんと5人くらいだけ街の端を歩いていたんですが、人が全然いない都市はゴーストタウンだということがよくわかりました!

街のいろんなところに、違う時間や天気によって色んな人がいるので、ぜひAtmoph Window 2で風景を見て探してみてくださいね!

ライティングがサイバーパンクの分かれ道

UE5の最大の魅力の一つである新しいライティング技術Lumenによって、信じられないくらいリアルな太陽と影と光の反射が実現できるようになりました。

昼間の光も感動ですが、夜の未来都市といえばサイバーパンクな世界ですよね。と、夜にしただけではダメで、ビルの看板の光や夜空、空気、たくさんのライト追加などを地道にやっていきます。

時間、天気によって変わる「新京都」

「新京都」には、晴れの昼と夜に加え、雨の昼と夜があります。これがまた安易に考えていたんですが、昼と夜だけでもストーリー設定が変わるし、人々も車も変わります。雨になると出歩く人はほぼいなくなるし、傘といっても未来を作るからには普通の傘にしたくないし。ということで、カフェの前でたむろする人たちには未来の傘をさずけました。(見えづらいですね。)

看板も全部作ったよ!!

もうこの記事が大変長くなってきて、夜中に気分アップの赤ワインを飲みながら書く僕の集中力もそろそろお休みが近づいてきました。きっとみなさんも限界だと思います。でも、大事なデザイナー2人が作った看板を最後に見てください!「新京都」で目に見えるすべての静止看板、動画広告は2人が作ってくれました。2060年をイメージしながら。ぜひ、冒頭のPVか、Atmoph Window 2でも体感してみてくださいね!この未来に込められた思いを感じてもらえるべし。

未来にも珈琲屋はありました。MUNE(ミューン)です!これをデザインしたムネ君が由来で、MUNEと命名しました。しかもなんと、現代でもこのMUNEの深煎りブレンドコーヒー豆をAtmophが代理販売して好評だったので、毎月数量限定で販売することにしました!

最後の見どころラッシュ!

キリがないので全部は伝えられませんでしたが、最後にいくつか「新京都」をさらに楽しんでもらえるスナップたちをお届けします。

これからも、Atmophをよろしくお願いします。吉日

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