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ウェブの素晴らしい文化をハードウェアへ

アトモフ株式会社に入る前

新卒(2002年)で Yahoo! Japan に入社しました。Yahoo! では主にYahoo!スポーツの担当で、オリンピックの速報サイトや競馬情報サービスの開発等をしていました。特に競馬はかなりのめり込んで関連する本もたくさん読み、競馬場にもたくさん行きました。実際に競馬場に行くと、特に重賞レースでは地鳴りの様な歓声と美しいファンファーレの高揚感に感動したのを覚えています。

また技術面でも、凄まじいトラフィックを捌くためにサービスを Apache の拡張モジュール(C++)で実装したり、秒単位で配信されるオッズデータを処理したりと学生時代には触れることのなかったテクニックを仕事の中で学ぶ事が出来て本当に刺激的な日々でした。

その後個人事業主の期間を経て、株式会社ミクシィ(当時はイーマーキュリー)に入社しました。mixi では最初招待関連の機能やmixiプレミアム課金サービス等を担当していたのですが、その後は mixiミュージックというサブスクリプションの音楽配信サービス(さきがげ!)の立ち上げを行いました。

mixi ミュージックは音楽が聴けるというだけではなく、「どの曲を聴いているか」を iTunes や Windows Media Player、Winamp(懐かしい!)のプラグインを通じて mixi のサーバにアップロードし、集計して可視化するというサービスです。この情報によって「自分が好きな曲を好きな人」をたどる事が出来、人を媒介した音楽発掘を可能にしました。このサービスを通じて「自分が好きであろう曲が無限に湧き出てくるシステム」を作りたいと思っていました。

個人的にはかなり情熱を持って開発をしていたのですが、ビジネスとしてはなかなかうまくいかず、最終的にはクローズすることになってしまいました。自分がいいと思うものを作ることと、それをちゃんとビジネスとして成立させるということの難しさを痛感したプロジェクトでした。

ミクシィの後は任天堂に転職し、ゲーム機のネットワークシステムや Nintendo eShop(ゲーム内ストア)の開発を行いました。一旦ウェブの世界から離れる事で色々と見えるものもあったり、メモリの制約が厳しい組み込み環境での仕様設計等今まで体験したことの無いチャレンジもありました。

現在

現在はアトモフ株式会社でソフトウェアエンジニアをしています。

きっかけは一足先に任天堂を退職した姜さん(アトモフCEO)からカラオケボックスに呼び出されて、Atmoph Window のプロトタイプを見せてもらった事です。直感的に「これは正しいコンセプトの製品だ」と感じました。

通知で人をスクリーンに引きつけるのではなく、ふとした時に目をやるとそこに情報が自然な形である、という Atmoph Window の佇まいが これからの時代の「人間と情報の気持ちい距離感」なのではないかと思いました。わざわざONにしなくてもいつもそこにある窓、開放感、外の世界というコンセプトは今この時代に作られるべき製品だと感じられたんです。経験したことの無いハードウェアスタートアップということでリスクもあるのですが、自分の直感を信じて任天堂を辞めてアトモフに参加することにしました。

アトモフでの仕事はスタートアップらしく本当に多岐に渡っています。ネットーワクサービス/ソフトウェアの開発だけでなく、Atmoph Window のフレームや内部の板金等を確認しに中国の工場へ行って金型の調整などを行ったりもしました。 https://www.kickstarter.com/projects/atmoph/atmoph-window-your-room-can-be-anywhere/posts/1469221

上海ではリニアモーターカーが走り、町のいたるところに WiFiネットワークがあり、小さな商店でも WeChat を使ったスマートフォン決済が出来るという世界がすでにあり、実際に行ってみて初めてわかる世界があるんだなあと本当に驚きました。

様々な面でハードなことも多いですが、その分この歳になっても成長している実感が持てるのでとても楽しいです。

アトモフ株式会社について

製品開発に関しては妥協せずにいいものを作ろうというマインドが共有されていて、相手に敬意を払った上でアグレッシブな意見も遠慮なく言える空気がある点もとてもいいなと思っています。

ハードウェア/ソフトウェア/モバイルアプル/ネットワークのすべてのスタックを考えた上で体験をデザイン出来るという点も(大変ではありますが)他には無い面白い点だと思います。

今後どういうことをしていきたいか

Atmoph Window はソフトウェアのアップデートで拡張出来る余地がたくさんあります。

照度センサーを使った自動制御やジェスチャー操作、時間に従ったスケジューリング、他のデバイスとの連携等、今はまだ「やりたいのに、開発が追いつかない」状態です。ハードウェアを販売して終わりではなく、継続して改善していくというウェブ文化の素晴らしい点をハードウェア開発にも持ち込みたいと考えています。

今は初回ロットの発送をまさに行っているところですが、世界中のユーザからフィードバックが返って来てとても嬉しいです。Atmoph Window を飾った部屋の写真などを送ってもらえたりすることもあるのですが、本当にこのプロジェクトをやってよかったなと思う瞬間です。

Atmoph Window が世界中の部屋で愛されるデバイスになれるように、今後も改善を重ねていきたいです。

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