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新人エンジニアの成長を促す対話術 ~信頼されるリーダーのマネジメントTIPS #2

エーピーコミュニケーションズでは半期に一度、社員の頑張りや成果を表彰する「APC Award」を実施しています。その中で、2024年度上半期の「管理職賞」を受賞したのが、CL事業部 CLE部 DKクラウド マネージャーの岩﨑です。

今回は「信頼されるリーダーのマネジメントTIPS」の第二弾として、顧客満足度の向上と若手エンジニアの育成において大きな成果を残した岩﨑に、チームマネジメントにおいて大事にしていること、メンバーとの関係の作り方、関係性に悩んだときの対応について話を聞きました。

岩﨑和幸(いわさき かずゆき)マネージャー
CL事業部 CLE部 DKクラウド
データセンタ内での金融システムの運用保守・開発を経験。次期リーダー候補や新人のマネジメントにも従事。2019年、株式会社エーピーコミュニケーションズに入社。2023年1月にマネージャーに就任。業界・職種未経験のエンジニア育成を通じたチームビルディングに力を注いでいる。趣味はキャンプ、車いじり。

メンバーは未経験中心。エンジニア育成を推進

——最初に現在の業務と、マネジメント体制について教えてください。

所属するCL事業部は、顧客先に常駐する形で主にインフラ構築を担当しています。私はその中にあるグループのプレイングマネージャーとして、メンバーマネジメントと自身もインフラ構築を手掛けています。

グループの特徴は、「エンジニアの育成」を重視している点です。4名いるメンバーのうちの2名は、業界・職種未経験でエーピーコミュニケーションズに入社し、私のグループに配属されました。過去にはパティシエから転職をしたというメンバーもいたりと、IT業界未経験者の比率が高いグループです。

実務を通じて基本的な知識や技術はもちろん、案件の進め方も基礎から学んでいき、エンジニアとしてのスキルアップを目指しています。2024年・上半期の「APC Award」ではこの点を評価いただき、「管理職賞」を受賞することができました。

相手の関心事を起点に、関係性を築く

——岩﨑さんがメンバーとのコミュニケーションで大事にしていることについて教えてください。

いくつかありますが、特に重視しているのは「相手の興味や関心がある話題を取り入れる」「依頼時に、メンバーの想像力に頼らない」「メンバーから逃げず、本音で対話する」の3つです。

■「相手の興味や関心がある話題を取り入れる」
これは特に、メンバーがチームに配属された段階で大事にしていることです。コミュニケーションの第一歩は相手を知るところからだと思うので、例えば相手が車好きであればその話をたくさんしますし、ガジェットに興味があれば最新のタブレットや性能の良いイヤホンについて話をするようにしています。
自分が好きな話題であれば、自然とリラックスして、話が広がっていくんです。ものごとの好き・嫌いはもちろん、その人の強みや弱み、思考のタイプなど、メンバー自身を深く知っていくきっかけになると思っています。
またメンバーへの理解は、組織パフォーマンスの最大化につながります。どんな人でも得意なことと苦手なことがありますから、それぞれの特性やタイプを知っておくことで、最適な配属が可能になります。「このメンバーが苦手とする業務は、あのメンバーが得意」という、パズルのような組み方ができれば、結果的に全員が楽しみながら最大限に力が発揮できる組織になると考えています。

「伝わっているだろう」はNG。相手の想像力に頼らない

——2つ目の大事にしていることについて教えてください。
■「依頼時に、メンバーの想像力に頼らない」
マネージャーからメンバーに仕事を依頼する場面は多々ありますが、その際に「伝わっているだろう」という思い込みで終わりにしないことを大事にしています。「相手が理解してくれているだろう、分かってくれているだろう」で進めたところ、全く伝わっていなかったというのはよくある失敗ケースです。こういった齟齬があると、メンバーだけでなく、自分自身も少なからずショックをうけるので、気をつけている点ですね。
具体的な依頼方法でいうと、
まず「なぜそうなのか?」という背景や理由を伝えます。経験や知識、ポジションに関係なく全員にしっかりと説明をしています。次に「その仕事をやった先に何が起きるのか?」と「やらなかった先に何が起きるのか?」の2つの結果をそれぞれ具体的に説明をしています。
依頼されたメンバーの立場で考えると、単に「上司からお願いされた仕事」にすぎなくて、ここで自分がやらなかったらどうなるんだろう?逆にいい仕事ができたらどうなるんだろう?までを考えるのは、難易度が高い話なんだと思うんです。
だからこそ、相手の想像力に委ねるのではなく、業務の目的やその重要性をしっかり伝える必要があると思っていて、私はそれが「マネージャーの責任」だと捉えています。

——そう考えるようになったきっかけは何ですか?
前職でマネジメント業務に携わっていたとき、当時は今と違った考えで、どちらかというと「これやって」「あれやって」と指示だけするリーダーだったんです。良いチーム運営ができず、期待した成果が得られずに悩み、上司に相談したことがありました。
そのときに、「“これやって”だけでお願いして、100%の成果出せる人なんていなくない?自分もそうでしょ?」と言われたんです。もう本当に雷に打たれたような衝撃でした(笑)。自分に置き換えて考えたら、本当にその通りだ!と。
そこから2日間くらい考え続け、メンバーとの向き合い方を見直しました。先ほど伝えた依頼方法もそうですが、声のトーンや会話のスピード、身振り手振りなど、ちゃんと伝えるための努力をするようになりました。

メンバーから逃げない。腹を割って話をする

——最後の3つ目についても教えてください。
■「メンバーから逃げず、本音で対話する」
過去、あるメンバーと良い関係性が築けず、苦手意識が強くなってしまいコミュニケーションに行き詰まってしまったことがありました。ある時、ちょっとしたことから口論になり、これはもうしっかり話さなければ解決しないと思い、お互いに腹を割って話をすることにしたんです。
よく「苦手な人と向き合うのは大変じゃないですか?」と聞かれることがありますが、これは私の性格でもありますが、しっかり向き合って話をしたほうが解決につながると考えているんです。実際に、その時も、話をすることで理解しあえることがたくさんありました。相手から「こうしてほしい」「ここが分かりにくかった」など、私の改善点をストレートに教えてもらえたので、メンバーと向き合う姿勢を見直す良いきっかけになったと捉えています。

——メンバーに教えてもらう、という姿勢なんですね。
それはすごく大事にしています。特に、若い世代とのコミュニケーションについては、自分の常識が相手の常識とは限らないので、教えてもらうことが多いんです(笑)。
SNSでも話題になっていたのでご存知の方も多いと思いますが、例えばSlackで「これお願いします。」と書いたとします。私の感覚からすると全く違和感はないのですが、世代によっては「語尾に“。”が付いてるから怒ってる」と感じるんだそうです。世代間によるカルチャーの違いであって、こればっかりは相手にどう感じているのかを聞いて、すり合わせをしなければ解決しない。そして、そこを諦めてしまったら終わりで、互いに理解しあうことは難しいと思っています。

助け合いながらもライバル。共に成長できる組織を

——岩﨑さんが目指す組織について、教えてください。
助け合いながらも、お互いライバル。そんな組織づくりを目指したいです。
エンジニアの仕事と聞くと、一人で黙々と手を動かすイメージがあるかもしれませんが、実際そんなことはありません。やっぱり一人でできることには限界があって、今、求められているのはチームでの成果です。だからこそ、それぞれの強みを活かして助け合いながら、“あのメンバーに負けたくない”という刺激をもらい、互いに成長しあえる。そんな組織が理想です。
——何か取り組んでいることはありますか?
動機づけとなる「短期目標」を立て、振り返ることです。会社が掲げる長期目標や中期目標が、自分の業務と紐づかないというのはよくあることで、遠くて大きな目標だけだと疲れてしまうんですよね。だから、私のグループでは、「短期目標」を立てることを大事にしています。
自分の価値を高める“プラスアルファ”は何か?を考え、そこから具体的な短期目標を立て、数週間単位で振り返る。その振り返りは1on1に限定せず、プロジェクトの定例MTGなどでも各自の目標の進捗について話をしていて、プロジェクトメンバーであれば、全員の短期目標を把握できる状態。まさに刺激がたくさんもらえる環境です(笑)。
「あの人は、あの資格取得を目指してるのか、自分もやってみようかな」「あの人も頑張ってるから、自分もしっかり取り組まないと」といった自発的な動機づけにつながる工夫をしていますね。
——すごくオープンですね。
組織内で変な壁を作らないほうが、悔しい、負けたくないといった気持ちが、良い刺激となります。それが結果的に、メンバーそれぞれの成長を推し進めるのだと思います。
全くの未経験で入社したメンバーが経験を積み、ある段階から驚くような能力を発揮し、顧客や他のメンバーから頼られている姿を見ると、本当に嬉しいんです。自分が育てたという気持ちは全くなくて、そこにあるのは「成長してくれてありがとう」「チームを一緒に強くしてくれてありがとう」という感謝の想いだけ。これからも自分自身もメンバーからたくさんの刺激をもらいながら、新人エンジニアの可能性を最大限に引き出せるチームを作っていきたいですね。

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 Qiita

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