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世界初のアニメのオンライン展覧会「lain 2020 eXhibition」開催!開発責任者に聞く開発の裏側とプロジェクトに込められた想い。

世界初のアニメのオンライン展覧会「lain 2020 eXhibition」の開催について、本プロジェクトの開発を担当した稲垣に開発の背景や今後の展望などのインタビューを行いました。

稲垣 洸雄 プロフィール

舞鶴高専卒業後、筑波大学進学。大学在学中にIPA未踏スーパークリエータの認定を受ける。大学院在学中にDeNAで新規事業アプリ開発に従事、プロダクトオーナー及びiOSアプリ開発、API開発を担当する。その後、起業を経て、2019年5月Anique入社。デジタルアートワーク販売サービスのソフトウェアアーキテクトなどシステム全体の設計・開発に従事、2020年10月リリースのオンライン展覧会「lain 2020 eXhibition」の開発を担う。


Q:オンライン展覧会という初めての試みだったと思いますが、特にこだわった点について教えてください。

まずは、オンライン展覧会で提供するべき体験とはなんだろう?というところから作業を始めました。実験を通してわかってきたのは、作品のファンが望んでいるのは、美麗な3Dグラフィックよりも、その作品を語り合えるようなテキスト・画像・音声・動画といったメディアコンテンツであるということでした。そこで、テキストや動画の魅力を最大限に引き出せるようなフォーマット作りを意識して開発を行いました。

魅力的な展覧会コンテンツを作るためには、複数人での画像や動画・キャプションの入れ替えをコンテンツ制作チームで簡単にできるようにすることで、細かいイテレーションで検証をしながら展覧会を作ってく必要があります。

このような動き方を実現するために、展覧会コンテンツのデータを入れるツールとしてHeadless CMSを採用しました。コンテンツ制作ツールを全て自作するのではなく、既存のHeadless CMSを利用することで、共同編集機能などすでに提供されている機能を使うことができます。

サービスを作る際に、管理画面を内製化することはよくあると思いますが、内製化はより自由度が高い編集が可能な一方で、画像や動画を柔軟に取り扱えるUIや、共同編集可能な管理画面を短期間で作るのはなかなか難しいです。APIを利用したつなぎこみに集中することで、システム開発が途中でもコンテンツを作り始めることができるという副次的なメリットもありました。

結果的に展覧会のコンテンツを編集する人たちを支援するという目標を達成し、展覧会の頻繁なコンテンツ変更にも耐えられるシステムとして提供できたと思います。今回、展覧会期中のコンテンツの入れ替えなども想定していたため、柔軟性を重視して、自分たちがフォーカスする部分を決めたことは、とても良かったと思います。

なんでも0から開発するのではなく、自分たちが達成すべきところを見つけてフォーカスするのがAniqueの開発チームの強みです。

Q:開発で苦労した点や工夫した点などはありましたか?

オンライン展覧会は、コンテンツが重要とはいえ、グラフィックも一定水準以上のラインを達成する必要があるため、3Dでの展覧会体験を提供するシステムを短期間で作るのは大変でしたね。ユーザーの多くがスマートフォンから展覧会にアクセスするため、iOS, Androidブラウザ上で動作するほど軽量にする必要もありました。その上、今後さまざまな作品の展覧会を企画していきたいという計画もあったため、3Dグラフィックのカスタマイズ性を持つシステムを開発するのには苦労しました。

また、私たちは、オンライン展覧会に訪れることで何らかの達成感を持ち帰ってもらえるようなユーザー体験を作りたかったので、そのための技術的な課題を突破していくことは意識して取り組んでいました。

例えば、展覧会のコンテンツを楽しむだけではなく、もう一つ楽しみの軸になるものを作ろうと開発したのが、通話機能です。

ユーザーが友達と訪れて一緒に楽しむことで、何度でも楽しめるような展覧会にしようと思い、まずはベータ版で提供して実験してみました。これはWebRTCを利用した仕組みとなっており、モバイルブラウザでも動作するように、パフォーマンス調整に苦労しました。

しかし、iOSのOSアップデートでWebRTCとWebGLの相性が悪くなってしまうという事象が発生し、ユーザーに期待通りの体験を提供を行うことができなくなってしまいました。また、利用データの分析をしたり、ユーザーへのインタビューを行ったところ、LINEのようなすでに友達と繋がっているツールで通話をする方が気軽ということもわかり、最終的には機能を削除しました。

Anique開発チームの考え方として、まずはリリースしてみて、うまく使われていない機能は削除することで、コードをなるべくきれいに保ち、開発速度を維持し続けられるように努力をしています。

引き続き、コアなファンに長く楽しんでいただけたり、ファンからのアツいコメントが集まってくるなど盛り上がりを高められるような機能を開発していきます。

Q:今後取り組んでいきたいことなどはありますか?

他の作品でも、圧倒的にファンに楽しい気持ちになってもらえるような展覧会を、低コストで提供する仕組み作りを取り組んでいきたいと思っています。

また、この展覧会のようなファンに喜んでいただく仕組みをきっかけとして、今度はファンに思い出を持ち帰ってもらえるような、これまでにない驚きやワクワク感を与えるグッズを、Web技術を組み合わせて作っていきたいです。

開発側では、エッジな技術を取り入れてはいますが、やはり大事なのはファンの方に刺さるようなコンテンツだと思います。内製化にこだわらずに、トータルコストを考えてSaaSを多く使うなど、ユーザーにとってベストな選択をしつつサービスを作っていきたいと考えています。

アニメやゲーム、マンガなど、コンテンツをファンの方に楽しんでもらうためのサービスを作りたいというアツい想いのある方は、ぜひ一緒に働きたいです!

エンジニアを募集しているので、是非ご応募お待ちしております!

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